似ているようで違う言葉、「効く」と「利く」の違い、説明できる?
日本語には、同じ音で意味も似ている、でも、実は明確に違う…そんなややこしい表現がいくつもあります。過去にご紹介した「一角と一画」、「配付と配布」もそうでしたね?
今回は「効く」と「利く」の違いをおさらい致します。うっかり間違えてShame(残念な)女性にならないよう、Respect(尊敬される)女性で在れるよう、間違えやすい言葉は、普段からしっかり確認しておきましょう。
というわけで、2択クイズです。
【問題1】
会話文で「あのお店には、私、ちょっと顔が”きく“のよ」と言う場合の”きく“を漢字表記に直すと、以下のどちらでしょうか?
1:効く
2:利く
…どちらでしょう? 正解は?
正解は… 2:利く です。
「効く」と「利く」、意味が似ておりますが、実は使い分けしておきたい日本語です。
「効く」は、「作用・効果・効能が表れる」という意味です。「薬効」という言葉で「効」の字を使うように、薬や宣伝など、起因するモノが「作用」し「効果として表れる」状態を指します。
「利く」は、「機能が働く」「役立つ」「可能である」という意味になります。「機転が利く」「洗濯が利く」「ツケが利く」などの言い回しもありますね。
出題文の「顔が“きく”」の場合、
その人の「顔=仲介力」が、作用・効果・効能として、放っておいても表れ出てくるわけではなく、
その人の「顔=仲介力」が「働く・役立つ」状況ですので「顔が利く」となります。
これをふまえて、練習問題の数をこなし、「効く」と「利く」の使い方を体得しましょう。
【問題2】
以下の4つの会話文の“ ”部分を、それぞれ漢字に直してください。
1:「エアコンの“きいた”部屋に入るとホッとするわ!」
2:「あの人って、利益の上がりそうな案件には鼻が“きく”のよね」
3:「昨日のボクシングの試合、最初のパンチがかなり“きいた”みたいね」
4:「最近、体調が不安定でふんばりが“きかない”のよね」
正しく使い分けできそうですか?
正解は…
1:(エアコンの)効いた
2:(鼻が)利く
3:(パンチが)効いた
4:(ふんばりが)利かない
です。こちらの画像で、意味を今一度確認してくださいね。一問ごとの解説も、スクロールしてご覧ください。
1:「ホッとする快適な室温」は、空調機器の作用・効果としてもたらされているので「効く」です。
2:「鼻が利く」というのは、第六感を嗅覚に例え、「嗅覚が役立つ」ことなので「利く」です。
3:ボクシングの試合において、強いパンチが作用し、ダメージ効果をもたらしたので「効いた」です。
4:体調不良により本来持っている機能がうまく働かない=ふんばりが「利かない」です。