季節の行事のすごし方や、親戚・ご近所とのおつきあい、カジュアルな決まり事を覚えましょう!
教えてくださるのは、生活研究家の阿部絢子さんです。
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初めてのお宅を訪ねるとき、道順がわからず困ることがあります。いまはパソコンでなんでも知ることができますから、調べていけば済みますが、それでも、調べ忘れたときなど困ります。
出先で道に迷ったとき、人に尋ねるしかありませんし、道行く人に聞くしかないのです。そんなとき、急いでいる人を呼び止め尋ねるのですから、呼び止められた人も、時間を取られ迷惑顔です。そのうえ、尋ね方がいい加減では、知っていても教えたくなくなります。人にモノを尋ねるときは、相手の時間や手間をかけるという気持ちを持つことが必要ですし、尋ね方も丁寧でなければなりません。
事前に親しい人に尋ねるときも、その人の手間を煩(わずら)わせるのですから、親しければ親しいほど考えなければなりません。まして道で出会った見ず知らずの人に、道や店などを尋ねるのですから、相手に不快な思いをさせてはならないはずです。
先日、親戚の若者が「デザインのいい徳利を売っている店、教えて」と言ってきました。私は、人にモノを尋ねるのに、藪から棒にこんな尋ね方はないだろう、とちょっとムッときました。それで馬鹿丁寧に答えてみたのですが、いっこうにその意味を理解した様子がなく、「ありがとう」の返事すらなかったのには、さらにガックリしました。
もうひとつ経験したことがあります。先日留守電に残ったメッセージです。「私は○○というものですが、新聞記事の雑巾を買いたいので店を教えてほしく、××まで電話ください」というものでした。明らかに、60歳後半とおぼしき方からの伝言。これが大人のモノを尋ねるときの言葉だとしたら、若者が無遠慮な言い方になるのも頷ける、と思ったものです。
モノを尋ねるときだけではありませんが、人への気遣いがいかに大切かを気づかなければ、教えてわかることではないのかもしれません。また、頭ではわかっていても、いざ尋ねるときには、スッカリ忘れて、無遠慮な聞き方になってしまいます。
家庭での大人の言葉遣い、言い方、尋ね方などが子どもや孫に伝わっていくとなると、責任の一端は大人にあるようです。相手を煩わせるときは、誠意を持ち、感謝の気持ちを表すよう心がけます。
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