明るくておおらかで、とってもかわいらしい。75歳! とは思えないキャリア60年余の大御所女優さんの十朱幸代さん。その若々しさの秘訣は!? 前回に続き、今回もその魅力に迫ります。
若さを保つ秘訣は、食べもの、運動、睡眠!
↑体にいいものを食べて、ジムにも通います。どんな役が来ても応える準備はしています
60代後半で両足を手術し、療養していたときは「死亡説」まで出たという十朱さん。
今やすっかり元気で〝奇跡の75歳〟と呼ばれる彼女の元気の秘訣は、運動。30代の頃から、当時は東京にもまだまだ少なかったスポーツクラブに加入して、エクササイズに励んできたといいます。
「もともと太りやすい体質なんです。デビューした10代の頃なんて、パンパンでしたもの(笑)。20代からはお酒を飲むのも大好きでしたから、30代に入った頃、このままじゃマズイな、と思って運動を始めました。皆さんに女優として見ていただく以上、"え! あれが?"なんて思われたくないですものね(笑)。でも運動を続けてきたおかげで、体のサイズは若い頃とほぼ同じですし、足の手術をしたときも、筋肉の貯金があったから回復が早かったんです。今も週に3回は、ジムに通っています」
食べるものにも、気をつけているそう。「毎朝必ず食べるようにしているのは、卵にバナナ、ヨーグルト、きな粉、しょうがの黒糖煮、海藻類などなど…。とにかく"体によい"という情報には敏感ですね。最近は果物を皮ごと食べるようにしています。桃とかいちじくとか、皮付きで食べるほうがおいしいんです!」
↑体によいものばかりの朝ごはん。牛乳、バナナにヨーグルトやシナモン、アミノ酸、きな粉をかけたもの、卵、チーズ。ナッツや手作りのしょうが黒糖煮なども毎日欠かしません。基本お昼は抜き
もちろん、睡眠も大事にしています。
「運動していると寝つきがよくなるから、睡眠の質もよくなるような気がしますね。私は日本髪のカツラで舞台に立つことが多かったせいか、ストレートネックなんです。だから枕はオーダーのものを使っています。ベッドは温度調節のできるウォーターベッド。冷え症の私には冬暖かくてすごくいいんです」
快適を極め、愛犬や花と過ごす毎日。
「一人で暮らしているから孤独なんですけど、でも自由と孤独はセットですから(笑)。これからも自分を整えて、年齢を重ねたからこそのコクのある演技、深みのある芝居を、お見せしたいです」
Yukiyo Toake
十朱幸代さん
1942年生まれ。’58年ドラマ「バス通り裏」(NHK)でデビュー。以来、60年余、ドラマ、映画、舞台で幅広く活動し、ブルーリボン賞主演女優賞、日本アカデミー賞主演女優賞など受賞歴も多数。8年前の両足の手術を乗り越え、今もドラマや舞台など幅広く活躍中
撮影/馬場道浩 取材・原文/岡本麻佑