朝食や弁当のおかずなどでも使われるウインナー。多くの食材と相性がよく、料理の幅を広げてくれる食べ物のひとつだ。煮込みや炒め物といった調理法のほか、揚げ物にも使えるが、見かける機会は少ないかもしれない。そこで今回は揚げ物調理法の中から、ウインナーの天ぷらについて紹介していく。
1. ウインナーの天ぷらには市販の天ぷら粉が便利
天ぷらは魚介や野菜といった素材に、小麦粉や卵などの衣をつけて油で揚げる料理だ。和食の代表的なイメージもあるが、元々は安土桃山時代に長崎を訪れたポルトガル人によって伝えられた調理法だといわれている。当時は、小麦粉、卵、酒、砂糖、塩でしっかりと味付けされた衣と食材を味わうものだった。
さまざまな時代を経て、家でも気軽に食べられるようになった天ぷら。かつての衣を食す時代とは異なり、現在では薄くサクッとした衣が好まれるようになっている。また、調理する素材も、魚介や野菜に限らず、チーズや卵などが選ばれることも増えている。ウインナーもそのひとつだ。
家でウインナーの天ぷらを作る場合は、市販の天ぷら粉を使用すると便利である。サクッとした食感に必要なでん粉やベーキングパウダーなど、必要な材料がすでに混ぜ合わさっているため失敗が少ない。また、それぞれの材料をひとつひとつ揃えるコストを抑えられることもポイントだ。初めてウインナーの天ぷらを作る際はぜひ天ぷら粉の使用をおすすめしたい。
すでにウインナーの天ぷらを作ったことがあり調理にアレンジを加えたい場合は、天ぷら粉に青のりや七味を加えると味わいに変化がでる。素材をつける衣作りの段階で混ぜ合わせやすい粉状の調味料を選ぶとよいだろう。また、中にチーズが入っているウインナーを使うのも一案である。
2. ウインナーの天ぷらを作るときのコツ
調理を始める前にサクッとしたウインナーの天ぷらを作るコツを知っておこう。コツは大きく分けると3つだ。
1.食材に水分を残さない
下準備の段階で食材の水気をとっておくことは、カラッと揚げるポイントのひとつだ。ウインナーの場合は、素材そのものの水気は少ないが、衣をつける前にキッチンペーパーなどにのせておくとより美味しく仕上がるだろう。
2.天ぷら粉に粘り気を出さない
天ぷら粉は粘り気が出ると、衣が重くベタッとした仕上がりになってしまうので注意が必要だ。粘り気の原因は小麦粉と水が合わさることでできる物質のグルテンである。天ぷら粉を混ぜ合わせた状態で長時間置いたり、できあがった衣液が温まったりすると粘り気が出やすくなる。そのため、揚げる直前に天ぷら粉を用意することがサクッとした食感に仕上げるコツである。また、混ぜ合わせるときにはかき混ぜすぎず、さっくりと混ぜることも粘り気を出さない工夫のひとつだ。
3.高温で一気にカラッと揚げる
ウインナーなどの肉類は長時間揚げると硬くなるため、高温で短時間揚げることがコツだ。温度は油に衣を落として調節する。衣を油の中に少量落とし、鍋の途中まで沈みすぐに浮かんできたら適温(180~190℃)である。適温よりも低い場合は、衣を落とすと鍋の底まで沈んでからゆっくりとあがる(150~160℃)、鍋の途中まで沈んで徐々に浮きあがってくる(170~180℃)反応がある。食材を入れると温度が下がるため、こまめに火加減を調整しながら温度を維持しよう。
3. ウインナーの天ぷらを作るときの注意点
ウインナーは、熱されると皮が破裂することがある。そのため、ウインナーの天ぷらを作るときには衣をつける前に数ヶ所、破裂防止の切れ込みを入れておくとよいだろう。もしくは、皮がついていないウインナーも販売しているため、皮なしを使用すれば切り込みを入れる手間を省くことが可能だ。筒状の形状は揚げる際につかみにくい場合もあるが、事前にウインナーに竹串を刺しておくことで解消できる。食べやすさもUPするためおすすめだ。
結論
ウインナーの天ぷらは、市販の天ぷら粉を使うことで気軽にチャレンジしやすい料理だ。天ぷら粉を混ぜ合わせるタイミングや油の温度などのコツを活かせば、食感のよい仕上がりとなるだろう。調理する際は、熱された際に起こる皮の破裂に注意してほしい。この機会におかずにもつまみにもぴったりの味わいを楽しんでみてはいかがだろうか。