独特な臭いが食欲を刺激するにんにく。さまざまな料理に使うことができるため、常備しておくと重宝するが、1回に使う量が少ないため保存方法に困ってしまうことが多い。ここでは、にんにくの正しい保存方法について紹介する。ちょっとしたポイントをおさえるだけでにんにくの保存期間はのびるため、気になる人はぜひチェックしてみよう。
1. にんにくに適した保存方法は?
にんにくの保存方法には常温と冷蔵、冷凍の3種類がある。保存方法によって保存できる期間は異なるため、購入したにんにくをいつ、どれくらい使うかによって保存方法を決めるのがよい。ただし、気温が高くなる夏場に常温保存すると芽が出やすくなる。そのため、夏場の常温保存は避けるのが無難だ。ちなみに、にんにくを吊るして乾燥させながら保存する方法もあるが、収穫直後のにんにくに行う方法で、スーパーで購入したにんにくにはあまり意味がない。収穫直後のにんにくは、ほかの野菜同様に水分量が多いため、そのままでは腐りやすくなってしまう。それを防ぐために吊るして乾燥させているが、スーパーに並ぶにんにくはすでに乾燥が終わっているため、必ずしも吊るさなくてもよい。
2. にんにくの常温保存方法
にんにくをよく使うなら常温保存がおすすめだ。ただし、購入したにんにくを放置するだけでは保存とはいえないので、注意が必要だ。にんにくを常温保存するときは日の当たらない場所、かつ風通しのよい場所を選ぼう。にんにくはネットに包まれて売られているが、購入後も容器などに移し替えずネットに入れたままのほうが風通しがよい状態を維持できる。風通しが悪く、湿気の多い場所だと腐りやすくなってしまうため保存場所には気をつけよう。ちなみに、使いかけのにんにくの場合はそのまま常温保存すると臭いが気になってしまうので別の方法で保存したほうがよい。
保存期間
にんにくを常温で保存した場合、長くて約1ヶ月ほど保存することができる。ただし、1ヶ月というのは湿気が少ない場合で、時期によっては2~3週間くらいと考えたほうがよい。夏場は気温が高いため、さらに保存期間が短くなる。そのため、すぐに使うのでなければ常温以外の保存方法を選ぼう。
3. にんにくの冷蔵保存方法
すぐに使わない、または夏場に保存したいときは冷蔵保存を選ぼう。大きい冷蔵庫ならチルド室のほかに野菜室が備わっている。にんにくは野菜だから野菜室へ入れたほうがよいと思いがちだが、実はチルド室へ入れたほうがよい。野菜室はチルド室より温度が高めに設定されているが、にんにくの場合は温度が低いほうが保存に適している。そのため、にんにくはチルド室に入れて冷蔵保存しよう。
丸ごと保存する方法
にんにくの臭いが気になる人は丸ごと保存するとよい。ただし、丸ごと保存する場合もそのままチルド室に入れてはいけない。チルド室に入れる前に必ず新聞紙でにんにくを包もう。にんにくは湿気に弱く、そのままチルド室に入れてしまうとカビが発生してしまう恐れがある。新聞紙がない場合はキッチンペーパーで代用してもよい。しっかりとにんにくを包んだら、臭いが漏れないようにポリ袋やジッパー付きの袋に入れる。この状態でチルド室へ入れれば完璧だ。
皮を剥いて保存する方法
にんにくをすぐに使えるようにしたいなら、皮を剥いてから保存してみよう。にんにくを1片ずつばらし、薄皮を剥く。そのままポリ袋に入れて保存したいところだが、ここでひと手間かけよう。にんにく1片ずつキッチンペーパーで包むことで、湿気を防ぐとともに料理に使う際に取り出しやすくなる。にんにくの皮を剥いてキッチンペーパーで包むのは大変な作業だが、このひと手間で長持ちさせることができる。すべて包み終えたらポリ袋またはジッパー付きのポリ袋に入れ、チルド室で保存しよう。ちなみに、使いかけのにんにくも同じ方法で保存することができる。
保存期間
チルド室で保存する場合、長ければ2ヶ月ほど保存することができる。ただし、皮を剥いて保存したにんにくは1ヶ月を目安に使いきったほうがよい。
4. にんにくの冷凍保存方法
にんにくを少しずつ、長い期間をかけて使いたいという人は冷凍保存がおすすめだ。冷凍の仕方を工夫すれば、下処理不要ですぐに料理に使えるため時短にも繋がる。ここでは、冷凍方法と一緒に解凍方法も紹介する。
皮付きのまま冷凍保存
にんにくを冷凍保存する場合は必ず1片ずつばらしておこう。丸ごと冷凍してしまうと解凍に時間がかかるだけでなく、冷凍と解凍を繰り返すことにより食感や風味が損なわれてしまう恐れがある。1片ずつばらしたら、皮付き(薄皮)のまま冷凍することができる。皮付きのまま冷凍した場合、にんにくの風味をキープできるというメリットがある。1片ずつばらしたら、密閉できる袋に入れ冷凍庫で保存しよう。
カットしたにんにくの保存方法
カットしたにんにくを冷凍保存すれば、皮を剥いたりカットしたりといった下処理をせずにすぐに料理に使うことができる。みじん切りや薄切り、すりおろしにしておけば、さまざまな料理で使いやすい。カットしたにんにくをそれぞれラップで包む。その際に、1回分ずつに分けておくとより使いやすい。ラップに包んだら平たくし、カット別に(みじん切り用、薄切り用などに分けて)ポリ袋に入れる。臭いが出ないようにしっかりと密閉したら冷凍庫に入れて保存しよう。
保存期間
皮付きのにんにくはしっかりと冷凍できていれば、半年ほど保存することができる。だが、そのまま使い忘れてしまう可能性もあるため、計画的に使うようにしよう。カットしたにんにくは1ヶ月ほど保存することができる。
解凍方法
皮付きのにんにくは当然ながら皮を剥かないと料理に使うことができないが、凍った状態で根元部分を切り落とせば、簡単に皮を剥けるようになる。そのまま包丁を使いながら皮を剥くこともできるが、水に1分ほど浸ければ包丁を使わずにスルッと剥くことができる。にんにくは中まで凍らないため、皮を剥いたにんにくはすぐに切ることができる。カットしたにんにくは解凍せずそのまま使おう。炒め物などに使うときはそのままフライパンへ入れてよい。
5. にんにくを保存食にする方法
にんにくをそのまま保存するのではなく、調味料などに加工して保存食にするのもおすすめだ。長持ちしやすくなるだけではなく、よりにんにくが使いやすくなる。ここでは、とくにおすすめのにんにくの保存食の作り方を紹介する。
にんにくオイル
必要な材料はにんにくとオリーブオイルの2つだ。まず、にんにくをみじん切りにし、容器に入れる。そこにオリーブオイルをにんにくが完全に浸るまで加えれば完成だ。オイルだけを使ってもよし、にんにくを一緒に入れてもよしとさまざまな楽しみ方ができる。パスタや炒め物など香り付けしたいときに重宝する。
にんにく醤油
必要な材料はにんにくと醤油の2つだ。にんにくは皮を剥き、縦半分に切る。そのときに芽も一緒に取り除いておこう。煮沸消毒した容器ににんにくを入れたら、醤油をにんにくが浸かるまで加える。1週間ほど置けば醤油ににんにくの香りがつき、にんにく醤油が完成する。醤油としてチャーハンや煮物の味付けに使うことができる。また、漬け込んだにんにくも刻んで使うことができる。
にんにく味噌
必要な材料は味噌とにんにく、みりんの3つだ。味噌は普段使っている味噌や好きな味噌でよい。みりんは味噌をのばすために使う。にんにくの皮を剥いたら、丸ごと煮沸消毒した容器に入れる。そこに、みりんでのばした味噌を加え、にんにくを完全に覆う。そのまま3~4週間ほど置けば完成だ。味噌はそのまま料理に、にんにくは薄切りなどにして煮物や炒め物に入れて食べよう。
結論
にんにくは常温保存できる食材だが、夏場は芽が出やすくなるため注意が必要だ。1ヶ月ほど保存するなら冷蔵または冷凍保存がおすすめだ。とくに冷凍保存ではカットしたにんにくを保存することができ、凍った状態でも調理できることから時短料理には最適だ。また、にんにくオイルやにんにく醤油にして保存するのも面白い。調味料としても使えるため、料理のバリエーションを増やすのに貢献してくれる。