台風や雷などの災害時に突然起こる停電。電気パネルでのフラッシュ機能がついたトイレや自動洗浄タイプのタンクレストイレは、停電時には使えなくなってしまうのだろうか?今回は突然の停電でも焦らないように、停電時のトイレの使い方や注意点を紹介しよう。
1. 停電してもトイレは使えるの?
停電時にトイレが使えるのかを知るためには、トイレのタイプごとに仕組みを理解しておく必要がある。タンク式・タンクレス・パネル式の3つのタイプによって、停電時の使い方は以下のように変わる。
タンク式トイレ
タンク式トイレとは、便器のうしろに貯水タンクが設置されているトイレのこと。タンクにたまった水を使い、レバーをひねって洗浄するタンク式トイレは、停電時でも通常通り使用できる。
タンクレストイレ・パネル式トイレ
自動洗浄できるタンクレストイレや、パネルのボタンで洗浄するトイレは、電気の力で洗浄しているため停電時には作動しなくなる。しかし、メーカーごとに停電時の洗浄方法が用意されているので、取扱説明書などを確認し、落ち着いて対処しよう。
2. 停電時のトイレの水の流し方
続いては、具体的な停電時のトイレの使い方を紹介する。ただし、ここで紹介する方法が全てのトイレに当てはまるとは限らないため、トイレの取扱説明書も必ず確認するようにしてほしい。
手動洗浄機能を使う
タンクレストイレやパネル式トイレは、停電などの非常時に備えて手動レバーがついている機種も多い。また、便器の側面などに取り外せるパネルやボックスがあり、そこに非常用手動レバーが隠されていることも。「知らなかった!」ということがないように、今のうちに取扱説明書を確認しておくといいだろう。
バケツの水を便器に注ぐ
手動レバーで水を流す以外にも、バケツの水を便器に直接注いで洗浄する方法もある。停電時に手動洗浄機能がうまく機能しない非常事態もあり得るので、知っておいて損はないだろう。
■洗浄方法
1.トイレの周りに新聞紙や雑巾などを敷き、電器部分や床が濡れないようにする
2.バケツ1杯の水(5〜8L程度)を用意して、一気に流し込む
3.流し込んだ量の半分くらいの水(3〜4L程度)を、今度はゆっくり注ぎ入れる
4.2〜3回に1度は、多めの水(10〜12L程度)を流して、汚物の停滞を防ぐ
3. 停電時のトイレの流し方の注意点
停電時のトイレの使い方を紹介したが、流し方にも注意点がある。いつもと違う行動をとることが多い停電時だからこそ、注意点はしっかり把握しておくといいだろう。
タンクに水を入れない
トイレによっては、タンク周辺に電気部品がある場合も。停電時に普段あけないタンクをあけて水を入れようとすると、電気部品に水がかかり故障の原因となる恐れがある。タンクに水を入れるのはやめよう。
風呂にたまった水を使わない
便器に水を注ぐとき、風呂にたまった残り水を使うのは避ける。髪の毛などのゴミがトイレのタンクに流れ込むと、つまりや故障の原因となる場合があるためだ。
4. 停電時はトイレのウォシュレットは使えない
停電時でもトイレの水は流せるが、現代のトイレには欠かせないウォシュレットや温便座などの機能は、停電時では使えなくなる。対応方法と合わせて詳しくチェックしよう。
電気を利用する機能は使えなくなる
ウォシュレットや温便座を使うには、コンセントからの給電が必要だ。停電時は電気が使えなくなるため、電気を利用する機能は使えなくなってしまう。
また、停電したらウォシュレットのプラグは抜いておこう。バケツで水を流すときにプラグが濡れてしまうと、復旧時の感電やトイレ故障の原因となる場合がある。
結論
トイレの水はタンクレスやパネル式であっても、手動洗浄機能やバケツの水を利用して洗浄できる。停電しても焦らず、落ち着いて対処するのが大切だ。手動レバーの位置や使い方はメーカーや機種によっても違うため、停電が起こる前に取扱説明書で使い方を確認して備えておくといいだろう。