ノートや書類など、日常的に見かけることが多いA4サイズの用紙。このサイズの規格は、何を基準に決められているのかご存知だろうか。多くの方が利用するワードの印刷、倍率の設定などの際にも、サイズについては知っていると便利なはずだ。今回は、A4サイズの用紙に関するさまざまな知識を解説していく。
1. A4の半分は何サイズ?
まずA4の半分のサイズと、倍のサイズを見ていこう。
A4の半分はA5サイズ
A4を半分にしたサイズは、A5となる。縦横210×148mmの大きさだ。
A4の倍はA3サイズ
A4の倍のサイズは、A3となる。縦横420×297mmの大きさだ。
2. そもそもA4などのサイズは何を基準に決められている?
そもそもA4などの用紙サイズは何を基準としているのだろうか。用紙には、B4やB5といったサイズもある。この「A」と「B」の違いについても解説しよう。
A判は「ISO 216」で規格化されている
一般に多く採用されている用紙サイズA4のAとは、もとはドイツの工場規格で、面積が1m2(平方メートル)の「ルート長方形」をA0とし、それが国際規格として、標準化機構ISOに定められた。
A判の最も大きいサイズ、A0が841×1189mmで面積が1m2(平方メートル)、A0の半分のサイズがA1、さらに半分がA2と数字が1増えるごとにサイズが半分になる。A4はA3の半分でA0の1/16であり、実際の各辺の長さは210×297mmだ。
ISO 216ではライティングペーパー及び特定の印刷物として、AとBシリーズの規格を定めており、そのAシリーズを元に日本産業規格JIS P0138が制定されている。
B判は日本独自の「JIS規格」によるもの
国内で採用されているJIS規格によるB判の、最も大きいサイズB0は1030mm×1456mmで面積が1.5m2(平方メートル)である。A判と同様にB0の半分のサイズがB1、さらに半分がB2となっている。ISO 216におけるB判はJISでは不採用となったため、B判は国内規格と国際規格では異なる。
かつて、国内で使用される主な文書はB判が採用されていたが、平成4年(1992年)の臨時行政改革推進審議会の「国際化対応・国民生活重視の行政改革に関する第三次答申」に基づいた通達により、平成5年(1993年)から行政文書のA判化が推進され、書類の主流はA4になった。
A判の規格一覧
・A0:841×1189mm
・A1:594×841mm(A0の半分)
・A2:420×594mm(A1の半分)
・A3:297×420mm(A2の半分)
・A4:210×297mm(A3の半分)
・A5:148×210mm(A4の半分)
・A6:105×148mm(A5の半分)
・A7:74×105mm(A6の半分)
・A8:52×74mm(A7の半分)
・A9:37×52mm(A8の半分)
・A10:26×37mm(A9の半分)
B判の規格一覧
・B0:1030×1456mm
・B1:728×1030mm(B0の半分)
・B2:515×728mm(B1の半分)
・B3:364×515mm(B2の半分)
・B4:257×364mm(B3の半分)
・B5:182×257mm(B4の半分)
・B6:128×182mm(B5の半分)
・B7:91×128mm(B6の半分)
・B8:64×91mm(B7の半分)
・B9:45×64mm(B8の半分)
・B10:32×45mm(B9の半分)
3. A4サイズの用紙の縦横比率は?
続いて、A4サイズの用紙の縦横比率について見ていこう。実はA4だけでなく、用紙の縦横比率にはある法則がある。
用紙の縦横比率はすべて「1:√2」の白銀比である
白銀比は貴金属比の一つであり、大きく分けると黄金比、白銀比、青銅比の3つがある。その中の白銀比には大和比、第2貴金属比があり、用紙のA判・B判全ての縦横の比率は、大和比と呼ばれる1:√2である。
ここで、貴金属比が採用されている代表的なものを紹介する。
黄金比:パルテノン神殿、モナ・リザ、Apple社のリンゴマーク(ロゴ)
白銀比(大和比):法隆寺の金堂、五重塔
以上のような、人が美しいと感じる調和のとれた建造物やデザインは、ある一定の法則が採用されている。普段何気なく使用しているA4サイズにも、サイズを決めるに当たって、利便性だけではなく、美しさの要素も含まれて考案され、その規格が世界標準となっている。
4. A4の半分のサイズで印刷したいときは何%?
A4の半分のサイズで紙を印刷したいとき、縮小率と拡大率は何%になるのだろうか。それぞれ解説していこう。
A4の半分のサイズ「A5」で印刷するときは71%
A4を半分のA5のサイズに縮小するときの倍率は、面積を1/2倍にするので計算上は1/√2倍にする必要があり、1/√2≒1/1.414≒0.707倍(70.7%)となる。大手メーカーのコピー機では、工場出荷時の設定で、71%となる場合もある。
A4の倍のサイズ「A3」で印刷するときは141%
A4をA3の大きさに拡大するときの倍率は、面積を2倍にするので計算上は√2倍つまり≒1.414(141%) となる。
5. ワード(Word)ファイルをA4の半分で印刷したいときは?
パソコンで作成したA4サイズのワードファイルを、半分のサイズで印刷する方法を解説する。ただし、ワードのバージョンによって変わる場合があるため、不明な点があればヘルプを参照しよう。
ワードの印刷設定方法|Word2010
1.リボンの「ファイル」タブを選択
2.画面左の「印刷」を選択し、「設定」の「1ページ/枚」を選択
3.「用紙サイズの指定」にマウスのポインターを合わせてA5(A4の半分)を選ぶ
4.「印刷」を選択して完了
ワードの印刷設定方法|Word2016
1.リボンの「ファイル」タブを選択
2.「印刷」を選択して、「設定」の「1ページ/枚」を選択
3.「用紙サイズの指定」にマウスのポインターを合わせてA5(A4の半分)を選ぶ
4.「印刷」を選択して完了
6. A4の半分折りがぴったり入る封筒は?
用紙を折りたたんで封筒に入れるケースもあるだろう。A4を半分折りしたとき、ぴったりと入る封筒のサイズを紹介する。
横半分(二つ折り)なら「角形6号」
A4を横半分の二つ折りにする場合は、角形6号の封筒が適している。なお、角形6号は定形外郵便物(規格内)だ。50g以内120円〜1kg以内580円まで、重量によって切手代が変わることを覚えておこう。
縦半分(二つ折り)なら「長形1号」
A4を縦半分の二つ折りにする場合は、長形1号の封筒が適している。長形1号も定形外郵便物(規格内)だ。上記の角形6号と同様に、重量で切手代が変わる。
7. A4の半分はA5など、規格や比率を知っておくと便利
A4は210×297mmの大きさだ。用紙サイズは、A0を基準として、数字が大きくなるごとに半分の大きさになっていく。たとえば、A0の半分がA1。A2の半分がA3といった具合だ。つまりA4の半分のサイズは、A5となる。これはB判でも同様だ。A4は比較的よく使用する用紙サイズのため、規格や比率について知っておくと便利だろう。
結論
A4はノートや書類など、さまざまなシーンで目にするサイズだ。A判は国際規格であり、人が美しいと感じる比率である白銀比になっている。利便性だけでなく、美しさの要素も含めて考案され、世界基準となっているのだ。A4やその半分のサイズなど、実際の大きさや規格、比率を知りたいときは、ぜひ当記事を役立ててほしい。