葉に黒や茶色い斑点がでているのは腐る寸前?それとももう腐ってる?覚えておくべき『腐った白菜の見分け方』とは
白菜といえば、煮てよし生でよしの万能野菜である。しかし、その大きさから余りがちな野菜の代表格ゆえ、ついつい腐らせてしまった経験があるのではないだろうか。白菜が腐る原因と見分け方、適切な保存方法をご紹介していこう。
1. 白菜が腐るとどうなる?3つの見分け方
白菜が腐敗しているかどうか見分けるポイントを、見た目・臭い・味の3つの観点から探っていこう。
1:見た目での見分け方
白菜の葉に一部黒ずみや変色があれば、腐る初期段階だ。全体的に茶色や黒色に変色している場合や、芯を中心に粘度のある汁が出ている場合は、カビが発生して腐敗が進んでいるといえるだろう。
2:臭いでの見分け方
白菜の腐った臭いは、鼻の奥をツンッと強烈に刺激すると同時に酸っぱさを感じるものだ。元々白菜にはジメチルジスルフィドという酸っぱい臭いの成分が含まれる。腐る際にカビから出る腐敗臭と混ざりあい、悪臭となるのだ。
3:味での見分け方
白菜が腐ると、食べたときに間違いなく味がおかしいと感じるだろう。独特の酸っぱさと舌を痺れさせるような刺激を感じるはずだ。
2. 腐る寸前?白菜が食べられるか悩む4つのケース
腐っているのか判断に困る場合もあるだろう。食べられるかどうか悩むケースを4通りみていきたい。
1:葉に黒や茶色い斑点がでている
白菜の葉に出る黒や茶色の小さな斑点はポリフェノールが要因のため、身体に害はない。細胞に蓄積したポリフェノールが外的刺激に反応して、葉の表面に現れる。腐る手前と間違えられがちだが、白菜の生理的障害なので食べても問題はない。
2:漬物のような臭いがする
漬物のような臭いを感じる場合、白菜に含まれる成分であるジメチルジスルフィドが作用して酸っぱい風味を出しているが、問題なく食べられる。しかし、腐ったときも酸っぱい臭いがするので、分かりにくい。見分けがつかない場合は、臭い以外の変色やカビの有無などで判断しよう。腐るときは明らかに味がおかしいので廃棄したほうがよいだろう。
3:強い苦みがある
栽培中に肥料が過剰に供給されたり、保存中に鮮度が落ちたりして苦くなることがある。また、苦み成分のイソチオシアネートは、白菜の先祖にあたるアブラナ科の植物に多い。品種改良されたいまでも先祖返りによって苦みが強い白菜が生まれるが、食べても問題はない。
4:葉が変色している
白菜は冬越しするときに霜や乾燥した風にさらされると、葉の縁部分が茶色く変色することも。この場合は変色部分を取り除けば食べられる。一方で、葉の大部分が変色していると腐る手前か腐っている疑いもあるので、異臭がないかチェックしたほうがよいだろう。
3. 白菜が早く腐る原因
白菜は、旬である11~2月の冬時期に発売されるものより、3~10月に販売されているもののほうが早く腐るといえる。通常とは異なる栽培方法で育った白菜がほとんどだからだ。また、白菜をカットすると切り口が空気に触れて傷みやすくなるため、腐るのが早い。腐る前に正しく保存することが大切だ。
4. 白菜が腐るのを防ぐ保存方法
白菜を最後まで美味しくいただくためには、適した保存方法を知っておこう。一玉まるごとなのか、カットされたものなのかで腐るスピードは変わってくる。
白菜をまるごと保存する場合
最初に白菜の芯を取る。芯を取るのが難しければ、包丁で芯にV字に切り込みを入れておけば腐るのを遅らせることができる。キッチンペーパーで全体を覆い、さらにその上から新聞紙で包む。日の当たらない涼しい場所で芯を下にして立てて保管すると、3~4週間はもつ。
カット白菜を保存する場合
スーパーでもよく見る1/4や1/8にカットされた白菜は、まるごとの白菜より早く腐る。密閉できる保存容器に入れることがポイントだ。冷蔵庫へ保管し、2~3日を目安に使い切ろう。また、生のままや茹でたものを冷凍保存することも可能である。冷凍する場合の消費期限は1ヵ月程度と覚えておこう。
5. 白菜の漬物が腐るとどうなる?
白菜漬けが腐ると茶色く濁った色に変色する。また、カビが生え悪臭を放つので、見た目以外でも臭いで腐っていることが分かる。しかし、漬け汁に白いふわっとしたものが浮かんでいることがある。これは白菜漬け特有の酵母菌のため食べても問題ない。異臭がなければ、こまめに取り除いてしまおう。白菜漬けは1週間~10日、浅漬けは2~3日が消費の目安なので、腐る前に食べきろう。
6. 栽培中の白菜の芯や根が腐る病気
栽培中の白菜が腐る代表的な病気で「芯腐れ症」がある。白菜の根や芯の一部が壊死し、茶色く変色した状態になる。腐る原因は、土壌中のホウ酸とカルシウムが降雨や散水で流れ出たことによる栄養不足だ。そのため、白菜が腐る前に適度に施肥し、土壌管理を行うことが重要である。
結論
白菜は水分量が多く、腐るのが早い野菜である。しかし、冷凍保存や漬物にするなど保存方法を工夫すれば、より長く活用できることがわかった。また、腐敗しているかどうかのポイントを見極めれば、美味しいまま無駄なく料理に活かせるだろう。