イタリア料理で耳にすることが多い「ビアンコ」。特に、ボンゴレビアンコやピッツァビアンコなどのように「○○ビアンコ」という使われ方をするが、実はこれは「白色(白い)」といった料理の見た目を表した言葉である。今回はそんなビアンコの基本やロッソとの違いなどを詳しく解説する。また、美味しいボンゴレビアンコのレシピも紹介する。
1. ビアンコとは?
ビアンコ(Bianco)とは、イタリア語で「白い」「白色」といった意味がある言葉のこと。ボンゴレビアンコやピッツァビアンコ、モンテビアンコといった料理名・デザート名をはじめ、ワインや大理石、建物など、さまざまな名称に使われている。また、日本の山梨県では「ロザリオビアンコ」という白色ブドウを栽培している。なお、イタリアには「ビアンコ」という人口4000人強の地域もある。
2. ビアンコとロッソの違いとは?
イタリア料理には「ロッソ(Rosso)」という、ビアンコと同じくらい耳にする言葉がある。これには「赤色(赤い)」といった意味があり、料理では特にトマトソースを使う場合に用いられる。余談だが、イタリア料理といえばトマト(トマトソース)が有名だが、実は食べ始めたのは16世紀半ばのこと。その後品種改良が重ねられ、18世紀になってようやく美味しいトマトが誕生したという。
3. 「ビアンコ」と付く主な料理
前述のとおり、ビアンコとは「白色(白い)」という意味のイタリア語である。そんなビアンコはボンゴレビアンコやピッツァビアンコ、モンテビアンコといったような形で料理名にも使われる。ここでは「ビアンコ」と付くそれぞれの料理の特徴を確認しておこう。
料理1.ボンゴレビアンコ
ボンゴレとはアサリをはじめとする二枚貝のことであり、ボンゴレビアンコとはアサリを使ったパスタ料理のことである。トマトやトマトソースを使わないパスタであり、基本的な味付けはオリーブオイル・塩・魚介のだしで行う。そのため、麺の自然な色味が目立つ「白色」のパスタ料理になる。なお、同じ白色でも生クリームなどを使う場合は、「クリーミーボンゴレ」などと呼ぶことが多い。
料理2.ピッツァビアンコ
ボンゴレは、ピッツァにも使われることがある。マルゲリータなどの一般的なピッツァではトマトソースを使うが、ピッツァビアンコの特徴はトマトソースを使わずに作ることだ。また、トマトソースを使わない代わりにオリーブオイルを塗ったり、たっぷりとチーズを使ったりすることが多い。ちなみに、モッツァレラチーズとバジルを組み合わせたピザは「マルゲリータビアンカ」と呼ばれる。
料理3.モンテビアンコ
モンテビアンコとは「モンブラン」のイタリア語である。本来、モンテビアンコとは「白い山」という意味であり、イタリアとフランスの間にある白く美しい山脈のことを指していた。しかし、20世紀初頭にフランスで山状のケーキが誕生し、その見た目から「モンブラン」と命名される。イタリアでも、ホイップクリームを山状にトッピングしたケーキをモンテビアンコと呼んでいる。
4. 美味しいボンゴレビアンコのレシピ
ビアンコと付く料理の定番といえば「ボンゴレビアンコ」である。「オリーブオイルひとまわし」では、そんなボンゴレビアンコの美味しい作り方を紹介している。以下に基本的な材料や手順、詳細ページをまとめておくので、興味があったらぜひ家庭でボンゴレビアンコを作ってみよう。
ボンゴレビアンコの材料(2人前)
・パスタ:180g
・お湯:適量
・塩:適量
・あさり:200g
・水:200ml(塩抜き用)
・塩:小さじ1(塩抜き用)
・オリーブオイル:大さじ1
・ニンニク:1片
・鷹の爪:少々
・白ワイン:大さじ4
・塩コショウ:少々
・乾燥パセリ:適量
ボンゴレビアンコの手順・作り方
1.水洗いしたあさりを塩抜きしておく
2.ニンニクはみじん切り、鷹の爪は輪切りにする
3.鍋にお湯をたっぷり沸かしてパスタを茹でる
4.フライパンにオリーブオイルを入れて温める
5.(4)にニンニクと鷹の爪を加えて香りを移す
6.(5)にあさりを加えてからフタをして蒸す
※あさりが口を開いたらソースから一旦取り出す
7.(6)に茹でたパスタを加えてソースと絡ませる
※パスタの茹で汁大さじ1程度加えて乳化させる
8.(7)にあさりを戻し、塩コショウで味を調える
9.お皿に盛り付けてから、乾燥パセリを振れば完成
結論
イタリア料理で耳にすることが多い「ビアンコ」には、「白色(白い)」といった意味がある。そのため、料理であればトマトソースを使っていないもの、ワインであれば白ワインのことを指す。赤色(赤い)といった意味がある「ロッソ」と一緒に、ぜひ覚えておくようにしよう。