「老害」の意味とは?
その漢字の字面からも感じ取れるように「老害」は、良い意味ではありません。「老害」とは「老齢による弊害」のこと。企業や政党で、年齢や経験を盾に実権を握り続ける老人や、周囲の人の意見を聞かず迷惑をかける高齢者のことを指します。「老害」に、具体的な年齢の定義はありませんが、シニア世代に使われることが大半です。
また、たとえ40、50代であっても、部下に自分の意見を押し付けたり、過去の武勇伝を延々と聞かせるようなことがあれば、年齢を問わず「老害」と言われる可能性も。「老害」は多くの場合、若者が年配者を揶揄するときに用いられます。たとえ、自分では「老害」だと思っていなくても、周囲が迷惑に思っているなら、影で「老害」扱いされていることもありうるのです。
「老害」と言われてしまう人の特徴とは?
近年のニュースでは、謝罪会見で失言する政治家や、免許を返還せず事故を起こしてしまう高齢ドライバーなど社会的な問題になりつつあります。このように世間を騒がせてしまう「老害」の人にはどのような特徴があるのでしょうか。詳しくみていきましょう。
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1:自分が正しいと思っている
会社の部下などから「老害」と言われてしまう人は、自分が正しいと思い込んでいる傾向があります。誰がどう言おうと、自分の意見を曲げず人の話に耳を傾けようとしません。そのような頑固な態度が、周囲からは扱いづらく、面倒な老人というイメージが植え付けられてしまうのです。
長年会社のトップだった人や、重要な役職についてきた年配者ほど、自分の生き方や仕事のやり方にプライドを持っているため、それを傷つけられると大声で怒鳴ることも。部下に高圧的な態度をとって、自分の方針や価値観を押し付けることも珍しくありません。
2:クレーマー
「老害」だと思われてしまう人には、気に入らないことがあるとすぐ怒るクレーマーも多いです。店員の態度が気に食わなかったり、スーパーのレジで待たされてイライラすると大声で文句を言ったり、いつまでもクレームを言い続けて離れないことも。
自分自身は、頭に血が上って感情的になっているので、周りから冷ややかな視線をおくられていることに気が付きません。人のミスを許すことができない心の狭さも、「老害」の人に当てはまる特徴といえるでしょう。
3:話が長い、くどい
話が長い、くどいことも「老害」の人によくみられる特徴です。若い時の武勇伝や成功した話などを、酒の席で延々と語って自慢してくることもお決まりのパターン。話の中では「昔はいい時代だった」「最近の若者は礼儀がなってない」など、過去を美化し、部下に説教し始めることもしばしば。
同じ話を何回も繰り返す癖もあるのですが、目上の人であるため部下も「それ、前に聞きました」と指摘できないことが悩ましいところ。一度捕まると話が長いので、職場では避けられている人も多いでしょう。
「老害」の人への上手な対処法とは?
自分が勤めている会社や取引先など、身近なところに「老害」の人がいて、困った経験はありませんか? ここでは、上手な対処法を紹介します。
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1:自分からは近寄らないようにする
「老害」の人は、いちいち細かいことに口出ししてきたり、理不尽なことを言ってくることもあるので、接していて不愉快な気持ちになることも多いはず。「一応、目上の人だから…」と気を遣って自分から話しかけてしまうと、いいように利用されてしまう可能性も。自分ばかりがストレスを抱える相手とは、無理に距離を縮める必要はありません。仕事上必要なことだけは話して、プライベートや酒の席では一定の距離を取りましょう。
2:ご機嫌を崩さないように適度に褒める
「老害」の人は、自分の意見を否定されるのが何より嫌い。それが事もあろうに自分より年下の社員に言われたらカチンときてしまいます。そんな年配者のご機嫌を崩さないためにも、会話の端々でさりげなくヨイショすることでご機嫌をキープしましょう。
たとえば、仕事のやり方でアドバイスを受けた時には、「さすがですね。その発想はありませんでした」「勉強になります」というフレーズを覚えておくと便利です。偉そうな口調にカチンときても、便利フレーズでその場を上手くスルーしましょう。
「老害」と言われないために大切なこと
「老害」に具体的な年齢の定義はないため、会社に部下や後輩がいる人なら誰にでも当てはまる可能性があります。周囲の人から「老害」と迷惑がられないためには、どうすればいいのでしょうか? 心がけるべきポイントを紹介します。
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1:柔軟に考える
「老害」と言われないために大切なポイントは、「柔軟に考えること」と「相手の意見を否定しないこと」です。人は誰でも歳を重ねて、経験を積み重ねると、つい自分の判断や考えが正しいと思い込んでしまう節があります。自分自身が「老害」にならないためにも、時々「自分は頑固な考えに縛られてはいないだろうか?」と振り返って考えてみることが大切です。家族や若い人の話に耳を傾ける柔軟性を忘れないようにしましょう。
2:他人の状況や立場を考える
なかには、親切のつもりでしていたことが、相手の迷惑になっている可能性も。たとえば、親身になって仕事のやり方をアドバイスしたり、ちょっとした世話話をしていることはありませんか? アドバイスのつもりが、上から目線の説教口調になっていたり、ちょっとした世話話がいつの間にか長話になっていることはよくあることです。
自分ばかりが話していて気持ち良くなっているだけで、相手が迷惑していたら本当の親切とはいえませんよね。自分が話していることで、相手の仕事の手を止めさせていないかどうか、配慮を忘れないようにしましょう。
3:謙虚な姿勢を忘れない
傲慢な態度を防ぐためにも、日頃から謙虚な姿勢を忘れないことも大切です。歳を重ねている人の中には、「ありがたい」が口癖で常に感謝の気持ちを忘れない心優しい人もいます。周りへの心遣いを怠らず、新しいことに挑戦しようとする意欲のある人は尊敬されるでしょう。
最後に
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「老害」とは、「老齢による弊害」のこと。大抵は高圧的な態度で、周囲の人々を困らせる人のことを指します。上司から偉そうな態度で命令されたり、理不尽なことで怒られると、ついイラッとして感情的なことを言ってしまいかねません。「老害」の人の特徴や傾向を理解して、冷静な対処をしていくのが大人のマナーといえるでしょう。また、自分自身も独断的な言動に陥らないように、チェックしてみることも大切かもしれませんね。
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