政務活動費の不正受給で長崎市議会から議員辞職勧告を3回受けていた吉原日出雄議員(60)は1日、五輪清隆議長に議員辞職願を提出し、許可された。辞職後に市役所で記者会見し「市民、議会に対し申し訳ない」と謝罪する一方、来年春の市議選に立候補する可能性は否定しなかった。
吉原氏は2015~17年度、他人のガソリン代の領収書を使ったり、自家用車で視察したのに公共交通費を請求したりした。詐欺などの疑いで市から刑事告訴され、長崎署は累計約33万円の被害を確認し、書類送検。市議会は今年9月までに3回、辞職勧告を出していた。
吉原氏は、地元の市立式見中の存廃を巡る議員活動や、10月下旬の市議会決算委員会を終え「節目」として辞職を決めたとした。一方、来春の市議選への立候補については「支持者へのおわびが最優先。現時点で考える余地はない」と述べた。
五輪議長は、不正受給を繰り返していた吉原氏について「反省がなかった。早く辞めてほしかった」と語った。田上富久市長は「遅きに失した感は否めない。自身の出処進退を考えての判断だと考えている」とのコメントを発表した。
長崎地検は、吉原氏の辞職も考慮に入れ、起訴、不起訴を決めるとしている。
吉原氏は2010年にも道交法違反(無免許運転、速度違反)容疑で逮捕され、長崎市議を辞職した。
外部リンク