現地時間で今月6日、米人気バラエティー番組『サタデー・ナイト・ライブ』(以下 SNL)に、今大注目のアーティストであるフィービー・ブリジャーズが出演!今年の「第63回 グラミー賞」にノミネートされているアルバム『Punisher』から「Kyoto」と「I Know The End」の2曲をパフォーマンスしてくれたのだが、「I Know The End」の演奏の最後に自身が弾いていたギターをモニタースピーカーに激しく叩きつけてぶち壊すという演出をしたことで、シンガーのデヴィッド・クロスビーを含む多くの人から非難を受けることとなってしまった。
ロックスターがステージ上でギターを床に叩きつけて壊したり、ドラムやスピーカーなどの機材に激しく突進していったりといった演出は、昔からよく行われているものだ。しかし、フィービーのパフォーマンスがテレビで放送されるや否や、「あんなことする必要性は全くなかった」「壊すくらいならギターを寄付するべきだった」などと、ネットは彼女の行動を非難するコメントで溢れ返った。
こうした世間からのリアクションを受け、フィービーは、「SNLで使っていたギターは85ドルで、モニターに関しても、パフォーマンスのために番組側がフェイクのモニターを用意してくれた」と弁明。しかし、これでも非難の嵐は収まらず、シンガーのデヴィッド・クロスビーはツイッター上で次のように意見を述べたのだった。
「ギターは演奏するためだったり、音楽を作る時に使用する物であって、子供っぽいステージの演出のためにフェイクのモニターに叩きつけるものではない」
Guitars are for playing ..making music .....not stupidly bashing them on a fake monitor for childish stage drama .....I really do NOT give a flying F if others have done it before
— David Crosby (@thedavidcrosby) February 9, 2021
It’s still
STUPID
その一方で、こうした世間からのネガティブな批判に対し、「女性だけを標的にしたダブルスタンダードな意見だ」と反論する声も。
「これまで男性が何百万回と行ってきた“クールな行動”に関して、女性が同じことをした途端に“ひどい”と言われるのはダブルスタンダードだし、おかしくないか?」
What's pathetic is the double standard that a woman is being judged for doing something a man has done a million times and somehow that's cool but in this case it's not? That's not even remotely okay.
— Julie Lemons Shuster (@blackcatt324) February 9, 2021
さらには、フー・ファイターズのフロントマン、デイヴ・グロールも、出演したラジオ番組『ザ・ハワード・スターン・ショー』の中でこの件について言及。次のように語り、フィービーを擁護する姿勢を見せたのだった。
「まず最初に言いたいのが、この10年間、“ギターのサウンドが使われなくなったけど、ロックンロールは滅びたのか?”という質問をインタビューを受けるたびに聞かれるような状況だったということを皆さんには知っておいて欲しい。だから、ここ最近のPOPミュージックにギター・ロックのサウンドがまた使用されるようになったのは…マイリー・サイラスがジョーン・ジェットのようになってきているのは、人々が再び“ロックはカッコイイ”って思うようになったからだと僕は踏んでる」
「フィービーのパフォーマンスは見たよ。というか、実はおふくろともそのことで話をした。おふくろに“SNLを見た?”と言われて、“ああ”と答えた。そして、“あのフィービーという女の子についてあなたはどう思う?”って聞かれたから、僕は、“美しい歌声の持ち主だと思う。歌が本当に上手だよ”って答えて、おふくろも“私は凄くいいと思ったわ。彼女は素晴らしいわね!”って言ってた」
「ニルヴァーナがジャムをしてる時に気が狂ったようになってやりたいように勝手にやってる様を見たことがあると思うけど、それこそフィービーと彼女のバンドがやったことだった。僕のドラムには穴が開いてるんだけど、あれはカート(・コバーン)が僕のドラムを無茶苦茶に叩き切ったりしたからだ。叩きつけられてボロボロになったギターだって、これでもかってくらい見てきた…そういう行動って、すごくスカッとするんだよ」
MTV NEWS