ティーンや若い世代を中心に熱狂的な支持を集めるボーイズ・バンド、ホワイ・ドント・ウィーが、マネージャーのデヴィッド・レフラーから受けていた“虐待”について、SNS上で声明を発表した。
この声明を発表する2週間前には、バンドのマネージャーの一人であるランディ・フィリップスが、彼のビジネスパートナーであるレフラーをマネジメント・チームから解雇するために訴えを起こしたというニュースが公になっている。
現地時間で9日の朝、バンドは長文の声明をインスタグラム上にアップした。“デヴィッド・レフラー”という特定の個人名は表記されていなかったが、この声明の中で、マネジメントを通して「精神的、感情的、そして経済的な虐待を受けていた」と告白。10代の頃にキャリアをスタートさせたバンドの中には、栄養失調により摂食障害を起こしたメンバーもいたと綴られている。(一部抜粋)
「みなさんの多くがご存じのように、僕たちがプロダクション会社から受けた精神的、感情的、経済的虐待の残念な真実が最近明らかになりました。本能的に、最初はこの嵐が通り過ぎるのをじっと待っていようと思っていましたが(そうするよう条件が付けられていたこともある)、沈黙の中で苦しみ続けるのはもはや選択肢ではないことに気付きました。僕たちにとっても、ファンにとっても黙っているのは良いことではないからです」
「間違いなく、こうして公に対し僕たちの真実を明かすことで、傷つくこともあるでしょう。だけど、10代の若者として、言葉によるいじめ、栄養失調、そして僕たちをコントロールする絶対的な力に、成功の対価として耐えなくてはいけなかったという残酷な“舞台裏の話”を世界に知らしめるためには、必要な一歩なのだと言えます」
「ホワイ・ドント・ウィーが始まった時、僕たちは15~18歳でした。とても若く、感受性が豊かで、お互いを信用し合う、愛に溢れた家族のようでした。みんなで同じ家に住み、僕らが大好きな音楽に打ち込めるようになると知り、最初は興奮しました。しかし時間が経つにつれ、Signature Entertainment Partnersのマネジメント・チームの一人が監視をする、“ホワイ・ドント・ウィー刑務所”に囚われた受刑者なのだと思うようになりました」「彼は日中を僕たちと一緒に過ごすだけではなく、24時間356日僕らをコントロールするようになったのです」
「ありとあらゆるドア、窓には、開けると音が鳴るアラームがつけられました。言うまでもなく、アラームを止めるコードは教えてもらえず、僕たちを人質にしたのです。僕たちは、自分たちのドレッサーに食べ物を隠すようになりました。ほぼ毎日言葉の暴力を浴びせられ、友人や家族から遠ざけられました」「お互い以外にサポートしてくれる存在はなく、アーティストとして対価を払うのが“普通”なのだと思い込まされたのです」
「僕たちは、もうこれ以上黙ってはいません。真実を伝えることで、人生で最も辛かったチャプターを終えることができると、希望を抱いています。僕たちのコミットメントは、僕たちの音楽、レーベル、そして何よりもファンたちに捧げ続けます」
またBillboard誌によれば、バンドは数週間前、流通会社の「Signature Entertainment」がタレントエージェンシー法に違反したとして、カリフォルニア労働委員会に対し同社との契約を破棄するよう請願書を提出していたという。
フィリップスとレフラーの裁判では、フィリップスが彼の会社からレフラーを解雇し、レフラーの管理能力をはく奪しようとしている。しかしその一方でレフラーは、バンドが<アトランティック・レコード>との契約更新を拒否していることを理由に、ホワイ・ドント・ウィーのメンバーを期限前の契約違反として訴えているほか、フィリップスに関しても、ビジネス・リレーションシップへの不法な干渉を訴えている。
MTV NEWS