2年連続100勝以上、6年連続で地区優勝をしているブレーブスを止めるチームは現れるのか。今季も優勝候補の一つに挙げられているブレーブスはこのオフにも積極的に補強を行っている。ナ・リーグ東地区の戦力分布を紐解いていく。
【2024年シーズン展望 ~ア・リーグ東地区~】
【2024年シーズン展望 ~ア・リーグ中地区~】
【2024年シーズン展望~ナ・リーグ中地区~】
6年連続で地区優勝を果たしているブレーブスの勢いが止まらない。昨季、MLB歴代タイとなるシーズン307本塁打の重量打線に加えて先発の三本柱も健在。それだけではなく、さらなる補強を続けている。
日本時間2月15日時点で、データサイト「ベースボール・プロスペクタス」の成績予想システムである「PECOTA」による今季の順位予想はこちら。
1 ブレーブス(100.7勝61.3敗/勝率.622/プレーオフ進出確率99.5%)
2 フィリーズ(84.2勝77.8敗/勝率.520/50.9%)
3 メッツ(83.5勝78.5敗/勝率.515/47.3%)
4 マーリンズ(79.9勝82.1敗/勝率.493/25.9%)
5 ナショナルズ(58.2勝103.8敗/勝率.359/0.0%)
ブレーブスの打撃の中心は、昨季41本塁打、73盗塁でMLB史上初の「40-70」を達成し、MVP投票では大谷翔平と同じく満票で受賞したロナルド・アクーニャJr.。そして、54本塁打、139打点で二冠に輝いたマット・オルソンをはじめとした重量打線は今季も健在だ。
投手陣は、最多勝利と最多奪三振の二冠に輝いたスペンサー・ストライダーを筆頭に先発3本柱が健在。そこに、2012年から7年連続で2桁勝利を挙げ、奪三振王のタイトルを2度も獲得しているクリス・セールをレッドソックスからトレードで獲得するなど、今季も投打に隙がない。
そんなブレーブスに待ったをかけるのが、2年連続ワイルドカードでポストシーズン(PS)に進出し、2年連続でブレーブスを地区シリーズで破っているフィリーズだ。リードオフとして47本塁打を放ったカイル・シュワーバー、昨季通算300本塁打を達成したブライス・ハーパーと29本塁打のニック・カステアノスの3、4番コンビは投手にとって恐怖の布陣だ。昨季23セーブを挙げたクレイグ・キンブレルはFAでチームを去ったが、ホセ・アルバラードが新たな守護神候補となっている。
昨季は大補強で「打倒ブレーブス」を狙ったメッツは、シーズン途中にマックス・シャーザーとジャスティン・バーランダーの2大エースを放出して再建に舵を切ったが、今季はエースとなった千賀滉大を中心に堅実な補強を敢行している。
投手陣では、2018年に19勝を挙げ、ヤンキースからFAとなったルイス・セベリーノとこれまで3度の2桁勝利を挙げているショーン・マナエアを補強した。中継ぎには藤浪晋太郎も加わったが、守護神エドウィン・ディアスの故障からの完全復活がチームに勢いをもたらすだろう。
4位予想のマーリンズは、MLB史上初の女性GMに2020年オフに就任したキム・アング氏が退任し、ピーター・ベンディックス氏が就任するなど、転換期を迎えている。4年連続最下位のナショナルズは積極的な補強は行わず、我慢の時期と見られているが、2017年、18年に40本塁打を放っているジョーイ・ギャロをFAで獲得しており、その豪快なバッティングに注目が集まる。
ブレーブスが圧倒的有利と見られる状況は変わらないが、いざシーズンが始まればどうなるかは分からない。「打倒ブレーブス」を果たすチームは現れるのか。ブレーブスが今季も独走した場合、また新たな記録は生まれるのか。どちらになっても、今季もナ・リーグ東地区は面白くなりそうだ。
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