SF映画…、特に時空の混乱を描くタイムトラベルを扱ったテーマは、観客の我々をときに時系列の混乱へと陥ってしまう場合もあります…。
しかし、そんな物語の進行に頭を抱えながら悩むことも、SF映画を観る醍醐味なのではないでしょうか。今回は、夏に無性に観たくなるあのちょっぴり切ない名作から、お腹を抱えて笑ってしまうほどのコメディータッチなものまで集めてみました。
それでは、今回ご紹介する映画を観て、時間の流れを探る旅へと参りましょう! 最高のSF映画です。
キャプテン・スーパーマーケット
「買い物は計画的にスマートに、Sマートでどうぞ」
サム・ライミ監督の『キャプテン・スーパーマーケット』は『死霊のはらわたII』の続編という位置づけですが、これを「最高の続編である」と答える人と、「最低だ」と答える人とがはっきりと分かれます―中間はほぼあり得ません。
チェーンソーを振り回しての死霊退治の末、アシュリー・“アッシュ”・ウィリアムスは、中世アーサー王の時代へとタイムスリップしてしまいますが、そこでもまた死霊たちとの壮絶な戦いが待ち受けているのですから…。ドタバタコメディーであると同時に、B級映画の要素も余すことなく詰め込まれた本作。
ですが、「至高の娯楽作品」と絶賛する人も絶対いると思える作品です。
スタートレック ファーストコンタクト
『新スタートレック(Star Trek: The Next Generation)』の映画化は、よく言えば…「盛りだくさんの要素の詰まった一作」でした。が、作品としての完成度という点について言えば、本作『スタートレック ファーストコンタクト』に軍配が上がるでしょう。
U.S.S.エンタープライズEの艦長ジャン=リュック・ピカードと乗員たちが、ボーグによる破壊から地球を守るべく時空をさかのぼります。1本の映画作品としても存分に楽しむことのできる仕上がりですが、スタートレック・ファンを自認する方にとっては、さらに満足度の高い作品と言えるでしょう。
人類とバルカン人との遭遇の場面など、スタートレックの世界についてまったく未知の物事が描き出されているほか、適役としてのボーグの存在感も圧巻です。
時をかける少女
多くの賞を受賞した、タイムトラベルと成長物語を融合したアニメ作品ですが、『バック・トゥー・ザ・フューチャー』に匹敵する傑作と言えるでしょう。
女子高生の紺野真琴は、ひょんなきっかけからタイムリープする能力を得るにいたります。
彼女はその能力で、テストで良い点を取ったり失敗した会話をやり直したり、遅刻癖を誤魔化したり…と、日常的な問題解決に使うこなすようになるのでした…。しかし、自らのタイムトラベルが他の同級生などに影響を及ぼすことに気づき、またより深刻な事態を回避するためにタイムリープの能力を使うようになります。
そして、次第に事態は大きく展開を見せ、喪失と友情の物語が花開くことになります。
スリーパー
冷凍冬眠により、200年後の世界で目覚めた男の話です。なので、正確にはタイムトラベルとは呼べません。そんな本作、ウディ・アレン監督の『スリーパー』は不条理かつ爽快、そして奇妙なまでに辛辣なSFコメディー映画です。
ジャズ・ミュージシャンであり健康食品店のオーナーでもあるマイルズ・モンローですが、手際の悪い胆嚢手術を受けたのち、目覚めたのは22世紀の世界でした。
ご想像どおり、まるで様変わりしてしまった世界の中で動き回るモンローのキャラクターが強烈すぎます。その後に登場する様々な作品の原型にもなっている本作ということで、『オースティン・パワーズ』や『26世紀青年』もその後継作品であると、ここに述べておきましょう。
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