「ドルチェ&ガッバーナ」と長年コラボレーションを続ける、モデルのデヴィッド・ギャンディ。40歳を迎えた彼が、少年時代のことから150着ものスーツを持つという現在のクローゼット事情まで、打ち明けてくれました。
エスクァイア・イタリア編集部(以下、エスクァイア・イタリア):「ドルチェ&ガッバーナ」とのコラボレーションは長いですね。あなたとブランドとの間に起きた化学反応の源は、何なのでしょうか?
デヴィッド ・ギャンディ(以下、ギャンデイ):私がふたりと最初に顔を合わせたのは、あるオーディションでした。そのとき、ドメニコ(・ドルチェ)とステファノ(・ガッバーナ)は私を選んだのです。彼らと仕事をする条件は、髪の毛をそることだったのです。私にはその後、別の仕事が入っていて、そこでは長髪が求められていました。そのため、そのオファーは断らざるを得なかったのです。
エスクァイア・イタリア:今では、あなたの名前自体がブランドになったと言っても過言ではありません。それについてどう思われますか? また、イタリアでの経験はあなたに何をもたらしましたか?
ギャンディ:実際に、自分自身のことを言葉で言い表すのは難しいことですね。そのように話すのは、あまり好きではないので…。私は常に、確固たる自分であり続けようとしてきました。そして、流行ばかりを追うような人間にはならないよう努めてきました。
エスクァイア・イタリア:あなたは『ザ・テレグラフ』誌に寄稿して、デザインもされていますね。それから、自身のブランドも持っています。そんな立場を踏まえて、「エレガンス」についてどうお考えですか?
ギャンディ:「エレガンス」の定義について、特別な考えは別に持っていませんね。「エレガンス」はファッションのためだけに使われる言葉ではありませんので…。テーブルもスツールも、クルマだって「エレガント」になりうるものです。Tシャツだってそうです。私はクローゼットの中に、150着のスーツを持っています。けれど、普段の生活はTシャツを着こなしているわけです。真のエレガンスとは、他者の感情を理解することではないでしょうか。人々とつながって、自分の振る舞いに気をつけること…つまり、それは生き方だと考えています。
エスクァイア・イタリア:最近、お子さんが生まれましたね。朝、自分の姿を鏡で見ると、何が見えますか? 父親としての自身の姿でしょうか? それとも、スターとしての姿ですか? あるいは、地に足がついたひとりの男性の姿でしょうか?
ギャンディ:生きていると多くの機会に恵まれ、それに応じた役割を担うことになります。いろいろなことに「適応していかなければいけない」と思っていますよ。
エスクァイア・イタリア:子どものころは太っていて、恥ずかしがり屋で、クラスの中ではいつも揶揄(からか)われる存在だった…というのは本当ですか?
ギャンディ:はい、そうです。私は本当はとてもシャイなんですよ。注目を浴びるのは好きじゃないし…。小さなころから、よく揶揄われていましたね。周りが抱いている一定の基準のようなものに自分自身を合わせることができなくて、同年代の子にはいじめられてました。今でも、ひとりでいることが好きなのですね。例えば田舎で、当てもなく歩くことがあります。
エスクァイア・イタリア:今のような状況(新型コロナウイルス感染症拡大防止のため都市封鎖下)では、身体を鍛えることは大変ではありませんか?
ギャンディ:実を言うと、この状況でも通常こなしているトレーニングは継続しています。たくさんのスポーツ、ワークアウト、これらがいい効果をもたらしていますね。スポーツに関しては、ラグビーやクリケットは子どものころから続けています。
エスクァイア・イタリア:好きなファッションアイテムは何ですか?
ギャンディ:私は、アクセサリーが好きなんです。中でも靴や時計は大好き…でも、オンラインでの買い物はしませんね。実際に手に取って、購入するのが好きなんです。
エスクァイア・イタリア:アイウエアはどうですか? 今回の新しいコレクションは、どのようにスタイリングしたらよいでしょうか?
ギャンディ:クラシックなフレームで、ラインはシンプル。だから使いやすいと思います。美しいものは、何にでもバランスよく合いますから。
エスクァイア・イタリア:手放すことのできない、「ドルチェ&ガッバーナ」のお気に入りの一着はありますか?
ギャンディ:プリンス・オブ・ウェールズ(グレンチェックとも言われる)のチェック柄のダブルブレストコートですね。5年前に買ったのですが、今も愛用しています。「それ、どこで手に入れたの?」って、よく聞かれますよ。
●お問い合わせ先
ドルチェ&ガッバーナ アイウェア
TEL 03-3514-2947
公式サイト
Words / Enrica Caretta
Photos / Giovanni Corabi
Fashion / Deborah De Groot
Translation / Chisato Yamashita
Edit / Emiko Kuribayashi
※この翻訳は抄訳です