3年前のエピソードです。ウチの嫁さんのメシは……なんというか「淡白」。毎日弁当を作ってくれるのは有難いけれど、今日のおかずは「五穀米ご飯、豆腐のつくね、いんげんの胡麻和え、玉子焼き、紅白なます」だ。
見た目の彩はいいのかもしれない。コンビニで売ったら健康志向のOLさんたちが飛びつきそうなメニューだ。でも……。
だったらランチは外で食べればいいと思うかもしれないが、ウチの会社の周りにはとくに食べる店もなく、社員食堂の味もイマイチだ。コンビニはあるけれど、長蛇の列ができてしまい、昼食の時間が少なくなってしまう。
節約面のことも考えても、嫁さんの弁当が一番なのは分かっているのだが――。
仕事に余裕があるときは、自分で作ることもあった。意外と料理は得意な方だ。ついでに嫁さんの分も作った。
何度も言おう言おうと思っていたけれど、言えなかった。そんな「モヤモヤ」のフラストレーションが今朝、とうとう爆発して「すべて言ってやれ!」という気持ちになってしまったんだ。
言ってしまった――。最初は「言ってやった」という妙な達成感を得ていたが、時間とともに後悔しはじめた……。捨てたのはやりすぎだったかな……? いや、あれくらい言えばきっと伝わる……でも……うーーん……。
俺は1日中、自問自答を繰り返していた。