生活費を必要最低限しか渡してもらえない、自由になるお金が手元にないと不安に感じることはありませんか? もしかしたらそれは経済的DVに当てはまるかもしれません。経済的DVに関する事例や解決策をご紹介するので、自分の状況と照らし合わせてみてください。
経済的DV(ドメスティックバイオレンス)とは
配偶者や恋人など親密な関係にある、又はあった者から振るわれる暴力のことを「DV(ドメスティックバイオレンス)」といいます。警察庁のデータによると配偶者からの暴力事案等の相談等件数は年々増加傾向にあります。
暴力だけがDVではない、経済的なDVもある
近年、様々な種類のDVが取り沙汰されていますが、中でも「経済的DV」というのも認知されつつあります。経済的DVとは、生活費を渡さない、家計の管理を握る、収入額や貯蓄額を把握させない、など配偶者の金銭的な自由を奪う暴力行為のことです。
経済的DVの具体的な事例は?
世帯収入や生活環境によって生活費にかかる金額は各家庭によって様々です。「経済的DV」に当てはまっているかどうかはもらえる金額が「少ない」というところ。経済的に相手を束縛する形を作り上げられているかどうかです。またお金の管理に異常な執着を見せるのも経済DVをする人の特徴なので、何にいくら使ったのか厳しい監視の目があることも見極めるポイントの1つです。
経済的DVの事例1.手持ちのお金をもらえない
『私は現在専業主婦。旦那は月に100万以上稼いでいます。支払いはすべて旦那の口座から引き落とし、食料や雑貨、日用品は必ず旦那と買いに行きます。そして、生活費はほとんどもらっていません。別に昼間に贅沢したいわけでもないです。でも、卵がないって気づいても所持金がないので旦那が帰って来るまで買いにいけません。旦那は貯金オタク? なので、「食料品などちゃんと買ってるんだから家にいる私にはお金は必要ない」と言います。お金あるのに渡さないっておかしいですよね?1万でもいいから財布に入れたい……』
経済的DVの事例2.お金をもらうときに嫌味を言われる
『幼稚園のママ友にもいるよ。毎月の給与額も知らされてなくて必要な分だけしか渡さないみたい。ギリギリの食費をもらって食材を買っているけど、それでも足りないときに追加でお金を貰おうとすると、すごいグチグチ文句言われるんだって。ランチや、たまのクラスの飲み会も一度も参加した事ない。そのママ友どんどん痩せて行くし、他のママ達とも関わらないから距離ができてきて、母子で孤立してきてるし、かわいそう……』
経済的DVの事例3.生活にかかるお金を最低限しかもらえない
『私の元夫は家賃光熱費別で月5万しかくれなかった。子供2人の4人家族だったけど。私が働いたお金も全て没収され、1000円のお小遣いも貰えなかった。10年一緒に居たけど鬱になったよ。』
経済的DVの事例4. 無理な節約を強制される
『来年から幼稚園の2歳と、今年生まれた0歳がいます。現在産休・育休中で、旦那から月5万円もらうことになりました。そこから、食費、雑費、スマホ代、プレ幼稚園5000円、習い事1500円を出します。ちなみに自分が働いていた頃は15万稼いでいたので、そこから5万に減りました。だいぶ節約しないと不安です。旦那の給料は額面35万、プラスαで年収700万』
生活費を入れない夫に専業主婦もお金は必要なことを分かってもらうには
旦那さんが家計の管理をしている家庭に陥りがちなのが、常に家にいる主婦は食費や日用品以外にお金を使う必要性がない、と勘違いをされていることです。ママ友のお付合いにランチやお茶代は必須ですし、突発的な通院などは現金で支払いが生じることもあるでしょう。まとめ買いやカード払いではできない出費があることも認識してもらう努力が必要です。
経済的DVの解決策1.お金が必要なことを理解してもらう
『子供がいたら現金必要な時もあるよ。ときにはママ友との付き合いでランチに行ったりとか……。ウチの旦那もお金に細かいけど生活費とかちゃんと現金で渡してくれるよ。ランチのお誘いあっても行けないじゃん』
経済的DVの解決策2.どんなことにお金がかかるか明確にする
『まずは今まで年間どれくらい美容費やランチ代、急な医療費等でもらっていたのか計算して、それを月割りにした額を毎月もらえないか交渉してみたら? 財布にお金が全くないのは惨めだし不安だってことをきちんと分かってもらわないとダメだね。』
経済的DVの解決策3.現金が必要なことがあることも理解してもらう
『うちはクレカ渡されていて「現金いらないよね?」と言われてたけど、普段困らなくても病院とかカードが使えない所もあってすごい困ったから、それからは少し現金を渡してもらっているよ。』
経済的DVの解決策4.専門機関に相談する
家計の管理が苦手で旦那さんにおまかせしているご家庭もありますが、家庭の状況に合わせてお互いの意見を出しながら金額をすり合わせていることと思います。しかし経済的DVの被害にあっている方たちの多くは、金銭面痛いする大きな違和感を抱えながら、神経をすり減らしながら生きています。貧困ではないけれど心が貧しくなってしまっている……そんな風に感じているなら、専門機関に相談してみましょう。
文・編集部 イラスト・マメ美 編集・物江窓香