虹野沙希、明るく爽やかな運動部マネージャー
虹野沙希(以下、虹野さん)の名前を思い出すと、同時に「根性よ!」という言葉が鮮やかに脳裏に浮かびあがります。明るく爽やかで、困っている人を放っておけない優しさの持ち主の虹野さんは多くのメモラーたちをとりこにし、人気投票でも主人公の藤崎詩織を抑えて堂々の1位に輝くなど、ひとつの時代を築き上げました。
野球部やサッカー部のマネージャーとして部員の世話を焼き、熱を入れた声援を送ってくれる虹野さんの姿は「ああ、こんな子いたら最高だよな」と思わせるに十分な魅力を放っていました。もし本当に虹野さんのような子がいたら、その部活は入部希望の男子生徒であふれていたに違いありません。
かく言う筆者も当時は虹野さんが一番のお気に入りで、UFOキャッチャーに新しいときメモグッズが入荷すると、虹野さんだけはなんとしてもゲットしていました。いまでもマグカップだけは手元に残し、愛用しています。本当に長い付き合いになりました。
そんな虹野さんが生まれたのは1979年1月13日。今日でちょうど42歳の誕生日を迎えました。42歳の虹野さんは一体何をしているのでしょうか。筆者の勝手なイメージですが週3くらいでパートに出ている主婦で、甲子園を目指す息子のために料理の腕前を生かして特製手作り弁当、通称「虹弁」を用意してあげている気がします。炒り卵とそぼろをご飯に敷き詰め、おかずは鮭の塩焼きに鶏のから揚げ、タコさんウインナーとタンパク質をたっぷり入れて、スライストマトやキュウリに青菜も添えて栄養バランスも良く、デザートにはイチゴと完ぺきな陣容。ボリュームたっぷりのサンドイッチもありましたね。「時間をかけて作ったからおいしいと思うんだけど」。いや虹野さんが作ってくれたものなら時間がかかっていようがいまいが、おいしいに決まっています。目の前にいる虹野さんこそが最高の調味料なのだから。
ああ、こんなお弁当を作ってくれる子にリアルでも会いたかったと心底思いますが、残念ながら三次元空間はそんなに優しくはなかったことを思い出します。早く、早く二次元空間に入り込める技術を実用化してくださいお願いします。
「ときめきメモリアル ドラマシリーズ」の一番手に抜擢
閑話休題。
さて、『ときめきメモリアル』に登場したヒロインたちのなかでも特に人気があった虹野さんは、外伝作品「ときめきメモリアル ドラマシリーズ」の一番手、vol.1『虹色の青春』のメインキャラクターとして抜擢されます。このドラマシリーズは後に『メタルギアソリッド』を手掛ける小島秀夫氏が製作の総指揮をとり、実製作は小島氏率いる小島組(現・小島プロダクション)が行うなど、極めて力が入った作品となりました。この作品での虹野さんはサッカー部のマネージャーとして後輩の秋穂みのりにも慕われるなど、男女問わず人気があることが伺えます。そりゃそうでしょう、虹野さんですから。サッカー部の補欠選手として虹野さんと一緒に特訓する青春を送りたかったと心底願った方も、きっと多いことでしょう。もちろん筆者もその内のひとりです。
また、当時はまだそれほど盛んではなかったキャラクターソングもシングルが『出会えて良かった』と『涙のエール』の2枚、アルバムも『over the rainbow』と『虹のリトグラフ』の2枚が発売されています。筆者は特に『出会えて良かった』がお気に入りで、社会に出てからもつらい時に何度もこの曲に励まされたことを思い出します。歌はもちろん、虹野さんの声優を務めた菅原祥子さんです。なお、現在の菅原さんは栃木放送で放送されているラジオ番組「祥子のチョット・CHAT・CHAT」でパーソナリティーを務めておられます。放送開始が1996年と『ときメモ』真っ盛りの時代から25年もずっと放送されているのは驚きです。
栃木放送はラジオのネット配信サービス「radikoプレミアム」に加入しているため、全国どこでも聴くことができます。かつて虹野さんにハマった方は、ぜひ一度聴いてみることをお勧めします。懐かしい声の響きが、あなたを迎えてくれることでしょう。
(ライター 早川清一朗)
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