身近なものがどんどん値上げされ、家計の負担が大きくなっている今。食費を少しでも抑えたい時に味方になってくれるのが「もやし」です! もやしが主役の料理を作る時に、気をつけたいのが加熱する時間。火を通しすぎるとしんなりしてしまい、シャキシャキとした食感もボリュームも半減してしまいます。もやしを調理する際は、「さっと火を通す」のがコツ。ゆでる場合は熱湯で30秒くらい、炒める場合は強めの火力で約1分を目安にすると、もやしのおいしさを生かした一皿に仕上がりますよ!
ゆでもやしの肉巻き
【材料・2人分】
豚バラ薄切り肉…14枚(約200g)、もやし…1袋(約200g)、万能ねぎの小口切り…3本分、合わせ調味料、砂糖・みそ・酒…各大さじ2、酢…大さじ1、しょうゆ…大さじ1/2、豆板醤…小さじ1)、塩、サラダ油
【作り方】
1.もやしはたっぷりの湯でさっとゆでてざるにあけ、熱いうちに塩少々をふる。さめたら水けをしっかり絞る。
2.豚肉1枚を縦に広げ、もやしを手前に1/14量のせてくるくると巻く。残りも同様にする。
3.フライパンに油大さじ1を中火で熱し、2の巻き終わりを下にして並べ、動かさずに1~2分焼く。時々転がしながら全体に焼き色がつくまで焼き、余分な脂を拭き取る。
4.合わせ調味料を回し入れ、ふたをして約1分蒸し煮にする。ふたを取り、炒めからめる。器に盛り、万能ねぎをのせる。
(1人分513kcal、塩分3.8g レシピ考案/笠原将弘 栄養計算/スタジオ食)
日本料理店「賛否両論」の笠原将弘さんが教えてくれた一品。さっとゆでたもやしを豚肉でくるくると巻き、酢をきかせた甘みそだれをからめた15分おかずです。淡白な味わいのもやしですが、「実はいいだしが出る!」と笠原さん。豚肉ともやしだけでも旨みは十分、家族もきっと大満足のおいしさです。
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そぼろともやしのしょうが炒め
豚ひき肉ともやしを「おろししょうがのオイル漬け」でざっと炒めたすぐできおかず。シャキシャキのもやしと黒こしょうのスパイシーな風味が食欲をそそります。調味は塩としょうゆでシンプルに。「おろししょうがのオイル漬け」(おろししょうがとサラダ油を混ぜるだけ)は冷蔵庫で10日間~2週間保存できるので、炒めものや焼きそばに使ったり、豆腐やうどんにのせたりといろいろアレンジしてみて。
もやしのかにたま風
ふっくら卵とシャキシャキもやしは相性抜群。フライパンでもやし・かにかま・しいたけ・長ねぎを強火で手早く炒め、卵液(卵・スープの素・塩・こしょう)を加えて大きく混ぜながら両面1~2分ずつ焼いてお皿へ。続いて中華あんの材料(とりがらスープの素・酒・片栗粉・しょうゆ・砂糖・水)をとろみがつくまで煮たら、かにたまにたっぷりとかけて。
もやしの担担(タンタン)煮
坦坦風の煮汁(白すりごま・しょうが・にんにく・みそ・砂糖・酢・豆板醤・だし汁)で豚肉ともやしをひと煮立ちさせるだけなのに、やみつきになるおいしさ! もやしは豚肉のアクを取り除いた後に加えてさっと煮て、歯ごたえをキープしましょう。
ゆでどりともやしのねぎ塩ソース
もも肉で作るジューシーなゆでどりに、もやしをたっぷり添えて。ゆでどりはとりもも肉・ねぎの青い部分・しょうがの皮・塩・水を弱火にかけて15~20分ほど火が通るまで煮ます。もやしもこのゆで汁を使ってさっとゆでて。フライパンで炒めたねぎ塩だれ(サラダ油・長ねぎのみじん切り・塩)が風味豊かな味わいです。
もやしの消費期限は製造から2~3日と、足が早い食材。買ったその日に使用するのがベストですが、長持ちさせたい場合は保存容器にもやしと、もやしがひたるくらいの水を入れて、ふたをして冷蔵庫に入れておくと、シャキシャキが保てます(水は毎日交換しましょう)。
文=齋藤久美子(栄養士)