素直にカッコイイ! スポーツカーのパトカーたち
白と黒に塗られたパトロールカー(以下、パトカー)は、日常的に見かける警察車両として馴染みのある存在です。
近年はトヨタ「クラウン」が主流で、ほかに先代のスバル「レガシィB4」なども見かけますが、用途によってパトカーの車種はさまざまです。
なかでも高速道路などで取締りをおこなう交通機動隊が乗るパトカーは、高性能車が採用されることがあります。
そこで、パトカーに採用されたクルマのなかから、とくにかっこいいモデルを3車種ピックアップして紹介します。
●日産「フェアレディZ」
警視庁が採用した「Z34型フェアレディZニスモ」のパトカー
日産を代表するスポーツカーとして、1969年にデビューした初代「フェアレディZ」は、日本にも本格的な高速時代の到来を告げたクルマでした。
高速道路網が整備されれば、当然のように速度違反や事故が増えます。そこで、1972年3月に神奈川県警察の高速道路交通警察隊が、高性能な「フェアレディ240ZG」のハイウェイパトロールカーを採用。
サイレン、赤色回転灯、ストップ機構付速度計、無線機などが装備されており、実際に取締やパトロールに使われ、現役時代の総走行距離は37万940kmに達したといいます。
その後も歴代フェアレディZがさまざまな地域のパトカーに採用され、活躍しました。
最近では2017年に警視庁が、現行モデルのZ34型フェアレディZニスモのパトカーを採用して、大いに話題となりました。
●ホンダ「NSX」
かつて栃木県警が使っていた初代「NSX」のパトカー
1990年に初代ホンダ「NSX」が発売。世界初のオールアルミモノコックのシャシに、最高出力280馬力の3リッターV型6気筒DOHCエンジンをミッドシップマウントした和製スーパーカーです。
当時、国内メーカーの乗用車では最高額でありながらも、バブル経済の追い風もあり、発売当初で3年分のバックオーダーを抱えたという逸話があります。
NSXは欧州製のスーパーカーを大きく上まわる品質を実現し、スーパーカーの概念を変えたクルマとして国内外で商業的な成功を収めました。
そして、NSXが1992年に栃木県警へパトカーとして導入され話題になりました。ホンダが栃木県警に寄贈したことが新聞でも報じられたほどです。
日産「スカイラインGT-R」やトヨタ「スープラ」など国産車の高性能化が進むなかで、速度超過などの違反行為の増加に対する抑止効果も狙っていたのかもしれません。
世界最強のパトカーが栃木県警にある!?
●日産「GT-R」
歴代最強の「GT-R」パトカー
1980年代に、市街地を巡回する警らパトカーに日産「スカイライン2000GT」が数多く導入されました。
当時の若者の憧れでもあったスカイラインがパトカーとして登場したことで、警察車両のイメージを刷新する目的があったのかもしれません。
その後、スカイラインの高性能グレードであるスカイラインGT-Rが交通警察隊に導入されると、高速道路でのスピード違反に対する抑止力になりました。
そして現在は、最高出力570馬力を誇る3.8リッターV型6気筒ツインターボエンジンを搭載する日産「GT-R」も交通警察隊に採用されています。
現行型であるR35型GT-Rのパトカーを全国で初めて導入したのは栃木県警ですが、2018年に栃木県在住の個人による寄付という形で寄贈されました。
栃木県には日産の研究施設や工場がありますから、それも寄贈に至った理由のひとつと考えられます。
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パトカーや消防車は、昔から子どもたちに大人気のクルマです。いまもイベントなどでパトカーや消防車が展示されると、子どもたちから注目の的になるほどです。
今回、紹介したようなパトカーならば、子どもたちからの人気がさらに高まることは間違いないでしょう。
そうすれば警察のイメージアップにも繋がりますので、高額な高性能車のパトカー採用は、ある意味合理的な投資かもしれません。
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