「免許証の写真が気にいらない」「身分証明書として何年間も同じ免許証を提示するのが苦痛」そのような人に朗報です。2019年12月1日から、免許証再交付の要件が大幅に緩和され、「免許証の写真がイヤ」という理由であっても(どんな理由でもOK)再交付の申請が認められるようになりました。
運転免許証のイメージ
ほとんどの場合、運転免許証は3年または5年で更新します。つまり、一度撮影した免許証の写真は、長ければ5年間という長期間使用することになります。
気に入った写真であれば何の問題もないのですが、免許証の写真が気に入らない人のなかには、「これを身分証明書として提示するたびにストレス」「できることなら写真を変えたい」と思っている人もいるかもしれません。
2018年に日産自動車が発表したアンケート結果によると、「じつは人に見せたくないと思っている写真」の第1位は「免許証の写真」(70.6%)でした。免許センターや警察署で撮影した写真はとくに評判が悪いようです。
それらの写真は、顔色が悪くても、不機嫌そうに見えても、顔が丸く写っていてもアプリで加工することなどもちろんできないので、免許証の写真は必然的に「人に見せたくない写真」になるのでしょう。
そんななか、前述のとおり2019年12月1日に免許証再交付の要件が大幅に緩和され、どんな理由であっても再交付の申請が認められるようになりました。
ちなみに、この日から同時に「運転中の携帯電話使用に関する罰則強化」もスタートしており、ニュースとしてはこちらの方が大きな扱いとなったため、免許証の写真については、あまりメディアに取り上げられることがなかったようです。
今回の改正については全国どの警察でもほぼ同様で、まとめると以下となります。
「紛失・汚損・破損の場合に限らず、 『記載事項変更の届出に伴い、裏面への記載ではなく、表面を新しい表記にしたい場合』『免許証の写真を変更したい場合』『免許の条件を変更した方で、裏面への記載ではなく、表面を新しい表記にしたい場合』などにも申請が可能となります。」
そして、この申請要件として例を挙げると、以下のとおりです。
・免許証に表示されている写真を変更しようとするとき(例:病気の回復等により容貌が変化した場合など。理由に制限はありません)
・住所、氏名等の免許証の記載事項変更の届出をしたとき
・免許に条件を付され、又はこれを変更されたとき(例:AT車限定を解除した場合など)
・免許証の備考欄(裏面)に免許に付された条件又は記載事項の変更に係る記載を受けているとき(例:すでに住所、氏名などを変更している場合など)
・公安委員会が相当と認めるとき(例:免許証の有効期間の末日について、西暦表示に変更を希望する場合、免許証の臓器提供の意思表示欄を変更する場合など)
さらに嬉しいことに、再交付の手数料もこれまでの3500円から2250円と1250円もの大幅値下げとなりました。
持ち込み写真は免許証の写真にできるのか
意外と知らない人が多いのですが、運転免許証の顔写真は持ち込み写真を使うことも可能です。駅やコンビニなどに設置されているスピード証明写真でももちろんOK。最近では、納得いくまで撮り直しができるスピード写真もあります。
持ち込み写真を使って免許証の再交付を申請すれば、手数料は掛かりますが、写真への不満とも無縁になります(警視庁が管轄する東京都など、一部地域では持ち込み写真を使っての再交付が不可な場合もあり)。
免許証の写真、じつは青背景以外も選択可能?(写真はイメージ)
また、写真の背景色についてもおなじみの青だけではなく、赤や黒など極端な原色以外であること、無地であること、着ている服の色や顔の輪郭と同化しない色であることが守られていれば、ほとんどの都道府県では何色でもOKとしています。
ただし、加工写真はNG。小顔にしたり目を大きくしたり、顔の輪郭をシャープにしたりなど、アプリなどで加工した写真を使うことは禁止だそうです。カラーコンタクトなどを使って撮影した写真も認められません。
加工をしていなくても、あまりにも現在の容貌とかけ離れている写真も認められないことがあるようです。なお、免許証に使える写真の条件は、新規取得時も更新時も、再交付時もすべて同じです。
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持ち込み写真を使っての再交付申請の条件は各地で異なっており、前述のとおり警視庁など対応していない一部地域もあります。また、最寄りの警察署では対応しておらず、運転免許センターでのみOKというところもあります。
事前予約を必要としているところや、申請の曜日や時間に制限を設けているところもあるほか、その反対に新規の免許取得時から持ち込み写真が使える都道府県もあります。
なかには持ち込み写真での免許証作成は即日発行ができず、出来上がりに数週間かかる場合もあるようですが、このような場合、出来上がりを待つ間は免許証が手元にない状態となります。
この状態で運転をすれば『免許証不携帯』と判断されることもあるので、こちらも、地元の警察に確認しておきましょう。
写真がイヤという理由で免許証の再交付申請ができることは全国どこの都道府県でも同じですが、各地で諸々の条件が違うこともあるので、事前に警察の公式サイトや運転免許センターの情報サイトで確認しておくと安心です。
なお、今回の改正では、免許証の有効期間の元号を「平成」から「令和」に書き換えたい人の要望にも対応しています。
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