クルマを購入する際に気になるのが燃費です。新車購入時には、カタログやホームページで燃費を確認できますが、2017年の夏以降から以前まで使用されていた「JC08モード」から順次「WLTCモード」に切り替わっています。
国土交通省は、定期的に新車として販売されるクルマのWLTCモード(一部JC08モード)を公表しており、最新版が2019年12月2日に発表されましたが、同12月20日に公表されたトヨタ新型「ヤリス」のWLTCモード燃費が既存車を上回る燃費となったのです。いったい、どれほど燃費が良いのでしょうか。
WLTCモードで36.0km/Lを記録した新型「ヤリス」
●トヨタ「ヤリス」
これまで国内市場では、「ヴィッツ」という車名で販売されていましたが、今回のフルモデルチェンジによって、海外で使用されている「ヤリス」に変更されています。
新型ヤリスは、2019年10月16日に世界初公開されましたが、同年12月20日に燃費や価格などの詳細情報が公表され、燃費の良さを示すWLTCモードが「HYBRID X」グレードで36.0km/Lを記録しました。
これにより、それまでもっとも燃費が良かった「カローラスポーツ(ハイブリッド仕様)」の30.0km/Lを超えた形となっています。
新型ヤリスは、新開発の1.5リッター直列3気筒ガソリンエンジンに新世代ハイブリッドシステムを組み合わせ、力強く滑らかな走りを実現。
また、ガソリン車は1.5リッターガソリンと1リッターガソリンの2種類となり、1.5リッターには6速MTも設定されるなど、高い走行性能と環境性能を両立したコンパクトカーのクラスを超えたモデルです。
価格(消費税込、以下同様)は、139万9500円から249万3000円です。
●トヨタ「カローラスポーツ」
国土交通省が公表した資料では、もっともWLTCモードの数値が良かったのが「カローラスポーツ」です。
ハッチバックのカローラスポーツは、2018年6月に発売された新型モデルです(カローラシリーズでは通算12代目)。パワートレインは、1.2リッターガソリン車(2WD/4WD)と1.8リッターハイブリッド車(2WD)が設定されています。
そのなかでも、1.8リッターガソリンエンジンとモーターを組み合わせたハイブリッド仕様の「HYBRID G」、「X」グレードが30.0km/Lを記録しています。
カローラスポーツの価格(消費税込、以下同様)は、216万9200円から282万4800円です。
また、2019年9月17日には、セダンの「カローラ」とワゴンの「カローラツーリング」が新たに発売されたのと同時に、カローラスポーツが一部改良され、ボディカラーの追加やサスペンションの最適化などをおこない、走行性能が向上しました。
燃費上位はトヨタ車づくし?
●トヨタ「カローラ」
カローラスポーツに続く、結果となったのが、前述したセダンモデルのカローラです。なお、先代モデルの「カローラアクシオ」と「カローラフィールダー」はおもにビジネスモデルとして併売されています。
カローラに設定されるパワートレインは、1.2リッターと1.8リッターのガソリン車(2WD)と1.8リッターハイブリッド車(2WD/電気式4WD「E-Four」)が設定されています。
WLTCモードがもっとも良かったグレードは、1.8リッターガソリンエンジンとモーターを組み合わせたハイブリッド車の「S」、「G-X」(ともに2WD)が29.0km/Lを記録。
カローラの価格は、193万6000円から275万円です。
●ホンダ「インサイト」
ホンダ「インサイト」は、2018年12月14日に発売されました。国内市場には、約4年振りに復活して話題となりました。
インサイトを復活させる理由について、商品企画を担当する間俊輔氏は、「いまの時代はハイブリッドが当たり前になっています。提供するクルマの本質的な価値をもう一度見直して、時代に合った価値を「インサイト」という名前の意味も含めて提案するのが意図でした」と語っています。
インサイトの展開グレードは、「LX/EX/EX BLACK STYLE」の3種類。パワートレインは、1.5リッターガソリンエンジン+2モーター(2WD)となり、WLTCモードもっとも良いグレードは、LXの28.4km/Lです。
車両価格は、332万2000円から369万6000円です。
●トヨタ「C-HR」
トヨタの売れ筋コンパクトSUV「C-HR」もWLTCモードで良い数値を出しています。C-HRは、2016年12月14日に発売されました。
SUVとしては珍しく、走行性能や乗り味などの「走り」を意識したモデルです。パワートレインは、1.2リッターのガソリン車(2WD/4WD)と1.8リッターハイブリッド車(2WD)が設定されています。
そのなかで、25.8km/Lという良い燃費数値なのが「S」、「G」のふたつのグレードです。
直近では、2019年10月18日にマイナーチェンジをおこない、1.2リッターガソリンターボ車に6速MT仕様や走りに特化したGR SPORTグレードなどが追加されました。
C-HRの価格は、GR SPORTも含めて236万7000円から309万5000円となっています。
WLTCモード燃費の上位にトヨタ車に混じってランクインしたホンダ「インサイト」
今回のWLTCモードには、燃費が良いクルマとして定番のトヨタ「プリウス」、「アクア」や、日産「ノート」が入っていません。
これは、WLTCモードに変わる前に発売されたクルマということもあり、JC08モードでは測定していても、WLTCモードで測定しないため表記されていなく、測定方法も異なるために厳密な比較はできないです。
しかし、国産車のモデルでWLTCモードとJC08モードの表記差は、4km/Lから6km/Lとなっています。その場合、プリウスのJC08モード燃費でもっとも良いのが39.0km/Lとなるため、新型ヤリスと比べると同等または若干値で新型ヤリスが上回ると予測できます。
そして、2020年2月には、ホンダのコンパクトカー「フィット」が発売を予定。このフィットも低燃費を特徴としており、クラストップのWLTCモード燃費を実現していると説明していました。
今回、新型ヤリスの燃費が公開され、現時点で公開されているWLTCモードで、もっとも低燃費なモデルとなりましたが、フィットがさらなる燃費になるのかが注目です。
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