J-WAVEで放送中の番組『RADIO SAKAMOTO』(ナビゲーター:坂本龍一)。3月1日(日)の放送では、坂本が自身の歌への苦手意識を告白。また、坂本が参加したアルバム『Adult Baby』について、Blonde RedheadのKAZUからメッセージが寄せられた。
■新型コロナウイルスへの注意喚起
坂本は番組の冒頭で、現在猛威を振るっている新型コロナウイルスについて触れて、リスナーに注意を促した。
坂本:この2ヶ月、コロナウイルスの影響で様々なイベントが中止になっていて、大変なことになっているようですね。僕が住んでいるアメリカ全体は、あまりまだ感染者は多く出ていなくて、それほど騒ぎにはなってないんですが、中国を中心としたアジア、そしてヨーロッパのほうにも広がり、大きな関心を持ってみんな注視しているようです。なんとか手洗いとかうがい、人がたくさん集まるところなどに行かないように、自分で身を守っていただきたいですね。
■歌が苦手な坂本「自分で呆れている」
坂本は年末年始は日本ですごしたあとニューヨークに戻り、作品の制作に追われる日々を送っていたそう。近況として、この春からスタートするドラマのテーマソングを手掛けたことを報告して、意外にも歌に対する苦手意識があることを明かした。
坂本:まだタイトルとか言えないんですけど。それもですね、ひさしぶりの「歌モノ」ですね。僕が歌っているわけじゃないですよ? 歌の楽曲を書くというのはあまりないことで、昔は自分でも歌いましたけども、あまりにも歌が下手なんで……もう自分で呆れているので(笑)、最近は自分でも歌いませんし、なかなか歌というのは苦手でね。そもそも歌の音楽を聴いても、歌が聴こえてこないんですよね。昔、よく仕事をしていた大貫(妙子)さんとか矢野(顕子)さんにも、「本当にあなたは歌を聴いてないわね」「歌を聴いていないのによくアレンジしてるわね」って、毎日のように言われていたんです。そのくらい聴こえてこないんですよね、楽器の一部のように聴こえてしまう。だから歌の曲を作るのも下手なんですよ。歌心がないというか、そもそも歌が聴こえてこないんだから、歌心が分からないんじゃないかな(笑)。自分でも本当にわかっているのかどうかわからないんですよね。そんな人が、ひさしぶりに歌ものを作りまして、歌詞はなんとあのU-zhaanに頼み、担当してもらっています。なかなかいいんですよ、U-zhaanのあの独特のユーモアがとても活きる内容でして、もう「U-zhaanしかないな」ということで頼みました。3月末ごろに発表だそうです。
■Blonde RedheadのKAZUが語る坂本「すごくリズム感の高い人」
番組では、2019年の9月にリリースされた、Blonde Redhead・KAZUのアルバム『Adult Baby』を特集。坂本はこのアルバムの収録曲のおよそ半分に参加しているという。番組へはKAZUからのコメントが届いており、KAZUはそのなかで坂本の音楽性について語った。
KAZU:教授はものすごくリズム感の高い人なんだと思います。自分の曲にやっていただいたものを聴いても、やはりそういうリズムのセンスがすごいなと思いました。『Salty』という曲は、もともと自分もリバースペダルを使ってループを作ったんですが、そのループをまたリバースされたり、私の声をリバースされたり、なにか楽しんでおられるような感じがして、私も聴いててうれしかったです。『Meo』という曲があるんですが、自分の中でひっそりと「もしかしたら、これは私が今まで書いた曲でいちばんいい曲かもしれない」と思うぐらい、自分で感動していたんですが(笑)、(坂本が)何回か聴いてくれた後、「KAZU、この曲すごいよ」なんて言っていただいて、それも本当にうれしかったです。