秋田県は2016年12月9日、県のマスコット「スギッチ」が来年11月29日をもって退職すると発表した。
スギッチは2007年に秋田県で開催された、秋田わか杉国体・秋田わか杉大会のキャラクターとして2004年に誕生した。その後秋田県のマスコットとして県職員になり、2008年12月には主任に昇進、秋田のPRや県政の広報など県内での活動を主に行ってきた。ゆるキャラグランプリにも2012年から2015年まで4年連続で出場しており、2015年には前年から800位以上順位を上げ、1727体中146位と健闘した人気キャラクターだ。
そんなスギッチがなぜ。Jタウンネット編集部は12月12日、引退の真相を秋田県庁の広報広聴課に聞いた。
「スギッチの意思を尊重して」
引退理由はズバリ、「スギッチの生みの親である原著作者との覚書の期限が2017年11月29日をもって満了するからです」
正直もっとファンタジックな答えが返ってくると思っていたので、大人の理由に驚いてしまった。
秋田県はこれまで契約更新の協議をしてきたが、原著作者の「スギッチを引退させたい」という強い意向があり、これまでの業績に敬意を表して退職願を受け入れることにしたという。
今後の活動を聞いたところ、「これまではイベント告知を個別に行ってきましたが、これからはいつ・どこで会えるかというのを一覧で見られるようにして、多くの県民の方と広く触れ合ってほしいです。勤務最終日には知事からの辞令交付を考えています」
とのことだった。ゆるキャラグランプリ2017への出場は現在検討中だという。
スギッチの後任は、なまはげ型の子どもロボット「んだっチ」。2015年のデビュー以来、県外での活動を主にしてきたが、これからは県内外問わずに活動していくそうだ。
ショックの声続々
およそ10年もの間、県職員として働いてきたスギッチは多くの県民に愛されており、突然の引退発表にショックが広がっている。
12月9日金曜日の夕~夜のニュースで報道されたため、県庁には週明けの12日月曜日の午前中に多数の問い合わせがあったという。内容の大半は「今後スギッチの取り扱いをどうしたらいいか?」というもので、「なぜ?」「引退させないで!」といったものは今のところないそうだが、悲しみはやはり大きい。
スギッチの引退が報じられた12月9日といえば、奇しくも俳優・成宮寛貴さんが芸能界を引退すると報じられたのと同日だったため、ファンのショックは余計に大きかったようだ。
秋田県のヒーロー・超神ネイガーも寂しそうだ。
スギッチ退職のニュースは県内の各媒体が報じたほか、秋田県公式Webサイト「美の国あきたネット」では「重要なお知らせ」として発表された。