明治が2017年5月25日、8月生産分をもって、スナック菓子「カール」の販売地域を関西地域(滋賀県、京都府、奈良県、和歌山県)以西のみにすると発表した。それにあわせて、14年10月に掲載した「Jタウン研究所」の記事が、ふたたび注目されている。(※以下、記事の再掲です)
「カールの味といえば?」という質問で、相手の出身地がわかる(2014年10月3日配信)
明治製菓の「カール」は、「おやつはカール」のCMとともに、定番スナックとして不動の地位を占めている。
味の2大人気といえば「チーズ」と「うすあじ」。異論を唱える人はほとんどいないだろう。
チーズは数種類のチーズをブレンドし、生地にもチーズを織り込んでいる。一方のうすあじは今でこそ全国各地で買えるけれども、長らく西日本限定だった商品。昆布とカツオだしの旨味を活かしており、関西人が好みそうな風味に仕上がっている。
興味をもった編集部は2014年9月9日から29日までの21日間、おやつの「カール」といえば何味?というテーマでアンケートを実施したところ、全国から837名の方に投票いただいた。
100以上ある過去のカールから12種類をピックアップ。チーズ、えびバター醤油、バターミルク、うすあじ、カルボナーラ、グリルドソーセージ、カレー、バーベキュー、トマトスープ、コーンポタージュ、チキンスープ、その他の中からどれか1つを選んでもらった。
投票先はチーズ・うすあじ・カレーの3つに集中
ふたを開けてみると、票が入ったのはチーズ、うすあじ、カレー、コーンポタージュの4種類しかない。しかも最初の3つで全体の99.5%を占める。コーンポタージュの投票があったのは東京、新潟、大阪だけだった。
今回のアンケートは分かりやすい結果となった。東海から東の地域ではチーズが優勢で、関西より西の地域はうすあじの支持が高い。
地方別でみると、乳製品の生産が盛んな北海道はチーズの支持率が極めて高くて、カレーとうすあじへの支持は低い。これに比べると東北地方は、カレーが28.6%と善戦している。
関東地方は投票数が多いこともあり、全国平均にかなり近い値となった。
甲信越北陸と東海の2地方は似た傾向を示している。チーズが約半分を占め、うすあじとカレーが票を分け合っている。ただし福井だけはチーズに1票も入らなかった。味の嗜好は関西圏に近いのかもしれない。
関西地方は軒並みうすあじ支持が高いのだが、和歌山だけはなぜか1票も入らなかった。
中国・四国、九州・沖縄の各地方は関西よりもうすあじの得票率が高い。また西日本では東北で強さを見せた「カレー」人気がいささか弱く、得票があったのは岡山、広島、愛媛、福岡の4県だけだった。
静岡でうすあじ派ゼロの不思議
次に都府県ごとの傾向を見てみよう。数字は得票率を表わしており、パーセントは省いてある。
西日本出身者も多いであろう東京を別にすると、首都圏の1都3県ではチーズの支持が高い一方、うすあじは少数派だ。たとえば埼玉。うすあじへの票はわずか15.4%に過ぎない。
これがさらに極端になったのが、静岡。20票以上の得票があったにも関わらず、うすあじに1票も入らなかった。チーズとカレーが勢力を2分している。
愛知以西で増えるうすあじ派
愛知になるとうすあじの得票率が増え始める。東海地方まではチーズはかろうじて過半数を保っているが......。
日本文化の故郷ともいうべき京都。スナックにも和風を求めたがるのだろうか、うすあじへの支持の高さは全国有数だった。
大阪は、全国平均からチーズとうすあじの得票率がちょうど入れ替わった感じだ。西日本の中ではカレーの支持率が高いのも特徴的。
九州ではイマイチ人気のないカレー
そして福岡。チーズが頑張っている一方で、カレーの人気が低い。もっとも他の九州・沖縄の7県でカレーは1票も入らず、福岡はマシだったという見方もできる。
ちなみに過去に発売されたご当地カールの中には「めんたいこ味」というのもあった。これらの選択肢を細かく列挙すれば、もう少し違った結果が出た可能性がある。