猛烈な便意に襲われ、漏れる寸前。駆け込んだトイレは満室で、扉の前にも人がいる。そんな危機的状況に陥った時、読者のみなさんはどういう行動をとるだろうか。
多目的トイレ?別の場所にいく?
いやいや、漏れる寸前なのだ。動きがとれる範囲は最小限である。そして多目的トイレも使用中。考えられること全てを振り絞り、とある男性がとった行動は、すでに並んでいた男性に「1000円札」を手渡すことだった。
こちらは、先に並んでいた男性が手渡されたという1000円札。ツイッター上に投稿された写真だ。ポカーンとした投稿者の姿が思い浮かぶ。
この後2人はどうなったのか。
まさかの本人登場
えええ、、、お腹痛くて駅のトイレ並んでたら後ろから肩叩かれて鬼のような形相で「さ、先譲ってくれませんか!?」って問答無用で1000円握り締めさせられたから「えっ!?(お金なんて)別にいいですよ(動揺)」ってつもりで言ったのに普通の返事に捉えられて先にトイレ入られたんだけどお腹痛ぇ… pic.twitter.com/dsTqxMH17c
— しの@赤髪 (@shino_akagami) September 23, 2019
こちらは1000円札を渡されたツイッターユーザー、しの@赤髪(@shino_akagami)さんが、2019年9月24日朝、投稿した文章である。
彼もまた便意に襲われている最中の人物である。衝撃的な内容だからだろうか、リツイートは1万以上され、いいねは2万7000を超えている(27日18時現在)。ツイートはネットの海に拡散されたのだ。
すると同日15時頃、
命の恩人様ありがとうございました。。。
— sん「安心感が便意を加速させた」 (@KsASLOVE) September 24, 2019
というコメントがついた。
1000円を渡した、sんさん(@KsASLOVE)。まさかの本人登場である。
きっとお互いトイレだけの出会いだったに違いない。何か思うところがあるのではないだろうか。Jタウンネットは9月26日、双方に話を聞いた。
安心感が便意を加速させた
珍事は、JR神田駅(東京都・神田)で起こった。個室トイレは3つ。並んでいたのは、しのさんだけだったそうだ。
猛烈な便意に襲われていたsんさん。先に並んでいたしのさんを見て、きっと強烈な絶望感に襲われたはず。その中で考え付いたのが、1000円を代償にすることだったのだ。
sんさんは当時の切迫具合に関して、
「漏らしてしまいそうだったため、失神するなど皆に心配され、やむを得ないと思わせるような嘘の言い訳を考えていた程です」
と話す。
トイレに駆け込むものの、満室でさらに待ちの列が目に入ってきたという。それゆえ一旦外にでるも、多目的トイレも使用中。女子トイレの使用さえを検討するほど追い詰められていたという。
「女子トイレも検討し、再度男子トイレに入ります。列が進んでいたため待つこととしました。トイレに着いた安心感が便意を加速させていました」
彼がとった行動は、札を渡すことだった。マネークリップには1万円札と5000円札もあったという。なぜ1000円札だったのか。
「相手に断られない方法というのを考えました。切迫していた当時としても、高い金額はむしろ受け取りに困るのではと考えました。それが千円札を渡した理由になります」
漏れそうなときほど思考は加速する。仮に断られようものなら、
「金額を積む事と、全てのトイレを強めにノックして焦らせる。という方法を考えておりました。あるいは小便器に向けて用をたすという選択肢でした」
事なきを得たsんさん。
これに対し、1000円札をもったまま、その場に立ち尽くした、しのさんは、
「実はsんさんに順番を譲ったその2~3分後には別の個室が空いて自分も事なきを得て安心しておりました。しかしながらきっとsんさんにとってはその時間すら地獄のように感じられるのだろうな...と思えるほどの表情だと感じられました」
と話す。結果的には、双方、漏らさず用を足すことができたのだった。
現在2人は、ツイッターで、お互いやり取りをしている。出会えたことについて、
「正直ご本人様登場のリプを頂いた時には既に少しバズり始めていたので、最初は一瞬偽物の存在を疑いました。しかしsんさんのアカウントへ飛んでメディア一覧から写真を拝見させて頂いた上でご本人様(当時と表情があまりにも違いすぎたため最初は自分の記憶すら疑いました)と確認出来て、運命の再会(?)に感動しました!」(しの)
また、sんさんは、現在リプライにてやりとりしている姿を期待し、エゴサーチし、しのさんを発見したという。
「当時しの様のお腹の状態よりも自分の方が苦しいと自己解決してしまい申し訳ない気持ちが強いです」
と感想を述べた。
奇妙な出来事だったが、仲良くやり取りできていることがほほえましい限りだ。あの時伝えたかったことをSNSにて伝えることができたのだ。