まず、サンフレッチェ広島公式ツイッターに掲載された動画をご覧頂きたい。
別カメの映像もお届けします🎦
— サンフレッチェ広島 公式 (@sanfrecce_SFC) June 19, 2022
【撮影協力:安田女子大学】 pic.twitter.com/aRrvj8KauL
よく見ると1人、背中に誰かを背負って走っている姿が確認できると思う。そう、住吉ジェラニレショーンが鮎川峻をおぶって、ウイニングランを共に行っていたのである。6月18日、対C大阪戦勝利後の出来事だ。
【広島 2-1 C大阪】鮎川峻と住吉ジェラニレショーン。https://t.co/4B3PQFXF6n#サンフレッチェ広島 #sanfrecce #sigmaclub
— 中野和也 (@kazuya_nakano) June 19, 2022
この日、コーチ達の計らいもあり、ベンチ外の選手たちも共にウイニングランをしようということになった。ただ、鮎川は3月19日の対川崎F戦で左足を負傷。5月6日には手術も行い、全治3ヶ月の診断を受けた。今も松葉杖は、まだ外れない。
トレーニングではしっかりとスキッベ監督の言葉に耳を傾ける住吉(6月20日撮影)
そんな状況の鮎川に、住吉が声をかけた。
「シュン、背中に乗れよ」「えっ、いいんですか」
体重60キロの後輩を背中に負い、住吉はサンフレッチェ・ファミリーたちが待つスタンドに向かって、走った。
トレーニングではやはりフィジカル能力の高いジュニオール・サントス(白ビブス)とも激しい球際の争いを住吉は見せる(6月20日撮影)
「シュンが走れないから、僕がおんぶしただけです」
20日の連勝後、住吉がこの時のことを語ってくれた。
「ただ、あの形で走るのは正直、厳しかったですね(笑)。ウイニングランは最後に、選手みんなでジャンプするんですが、さすがにそれは無理でした。シュンのことを考えても、そこはやめようと」
そして、こんな言葉も繋いだ。
トレーニングでもしっかりと走り、闘っている姿が印象的(6月20日撮影)
「チームの調子がいいのは、メンバー外の人が頑張って支えているから。例えばドグ(ドウグラス・ヴィエイラ)と僕はメンバー外の時にずっと一緒に練習していた。だからこそ彼がC大阪戦で逆転ゴールを決めた時は鳥肌が立ちました」
ドウグラス・ヴィエイラとの競り合いでいいクリアを見せ、川浪吾郎の「スーパー」という声が住吉にかかった(6月20日撮影)
最近は体調不良などでの離脱が続いた住吉だが、今は状態も万全。抜群の身体能力を持つ心優しいCB住吉ジェラニレショーンは「試合に絡んだ選手だけでなくみんなで、ファミリーのみなさんと勝利をわかちあいたい」と語った。
そのとおりだと、筆者は深くうなずいた。
住吉ジェラニレショーン(すみよし・ジェラニレショーン)
1999年10月5日生まれ。アメリカ合衆国出身。国士舘大時代にFWからCBにコンバート。2020年、水戸に加入。身長181㎝の高さに加え、強さやスピードなど身体能力が高く評価され、1年目からポジションを獲得した。2021年7月に広島移籍。フィジカルモンスターと呼ばれる塩谷司が「(住吉)ジェラに身体をぶつけると、本当に痛い」と言うほど、強靱な肉体をもっている。一方でロングフィードの質も高く、4月6日の対横浜FM戦では2得点目の起点となる素晴らしいパスを満田誠に通した。
【中野和也の「熱闘サンフレッチェ日誌」】