ミニマム級の斉藤晶子は、昨年デビューしたばかりのプロ女子ボクサーだ。
大学からボクシングを始めた彼女だが、最初は音楽に合わせてパンチするのを楽しむ程度だったという。
「法政大学第二体育会(主にスポーツ推薦入学でない学生が所属する)のボクシング部に入って、最初はフィットネス感覚で始めました。そうしたら私だけ出席率が高くて、主将になっちゃって…。その内後輩がいっぱい入ってきて、でも何も教えることがないから、少しでも技術を蓄えようと、近くのボクシングジムに入りました。ライセンスを取ってプロボクサーっていう肩書きが欲しかったんです」
部活動に加えて週5でジムに通い始め、在学中に念願のプロライセンスを取得すると、より競技への魅力を感じるようになったそうだ。
彼女の闘志に火をつけたのはある選手からかけられた言葉だったという。
「ライセンスを取ってからすぐくらいに、あるボクサーから『所詮ライセンス目的なんでしょ、軽い気持ちでやってんじゃねえよ』と言われたんです。そこでちょっとイラっとしちゃって、本気でやってやろうじゃないかと思って試合に出ることにしました」
そこから本格的にボクシングにのめり込み、昨年3月にデビュー。その後は「プロ一本で行く」と覚悟を決め、新卒入社した仕事も退職した。
自身のスタイルについて「ゴリゴリ前に行くタイプです」と話した斉藤。見た目とのギャップに驚かせてくれた。
その言葉に違わず、攻撃的なコンビネーションを披露してくれた。
通常のコンビネーションは、3つから4つが多いが、斉藤は連続で7発のパンチを打ち分けている。次から次へと違ったパンチが来るので、対戦相手もパンチを見切るのが難しいだろう。
次戦は3月18日、47.0kg契約4回戦に臨む。プロ3戦目となる試合について「覚悟を見せられる試合をしたい」と意気込みを語ってくれた。
攻撃的なスタイルで勢いよく勝ち進んで欲しい。
斉藤晶子(さいとう・しょうこ)
埼玉県出身、24歳、ワールドスポーツジム所属。プロ戦績は2戦1勝(1KO)1分。
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