「ゼレンスキー大統領は、大統領として多くのウクライナの人たちを苦しめている。のみならず、ポーランドをはじめとして、ヨーロッパにいるかつての仲間の国々もみな苦しんでいる」
こう発言したのは森喜朗元首相(85)。11月18日、都内で開かれた日本維新の会の鈴木宗男参院議員(74)のパーティーに参加し、ロシアの侵攻を受けるウクライナのゼレンスキー大統領を非難したのだ。
各報道によると、森氏は「プーチン大統領だけ批判され、ゼレンスキー大統領はまったく何も叱られないのはどういうことか」と疑問視した上で、冒頭のように発言したという。
鈴木議員が19日に更新したブログでは、このパーティーの名目は「鈴木宗男を叱咤激励する会」。娘の鈴木貴子議員(36)やシンガーソングライターの松山千春(66)、加藤勝信厚生労働大臣(66)らをはじめとする1000人が出席したことが記されている。
「森氏はこのスピーチで、『プーチン大統領と親しくしていただけに、彼の思いもよく分かるんです』とも発言しています。さらに、“戦争を収める役は安倍晋三元首相だと思っていた”と惜しみ、岸田政権に対しては“アメリカ一辺倒”と苦言を呈したのでした。
しかし、ロシアが8カ月以上にわたってウクライナを攻撃しているのは事実。最近ではウクライナ全土をミサイルで攻撃するだけでなく、ガスの生産工場など市民生活に欠かせないインフラ施設までも爆破し、被害は拡大するばかりです。ウクライナ侵攻について持論を展開している鈴木議員に呼応する形で発言したのかもしれませんが、森氏までも“ロシアを擁護している”と見なされかねません」(全国紙記者)
ネット上では森氏の発言に、《一理あると思います》《言わんとしていることもわからないことはない》と理解を示す声も。いっぽうで、《もし北海道にロシアが侵攻して来たら、同じ事を言うのだろうか?》《ウクライナに対して軽はずみな言葉は控えるべきです》と批判の声も相次いでおり、論争状態となっている。
■失言連発の“学ばない85歳”にネットではうんざりする声が……
かつて00年4月に首相に就任した森氏だが、「イット革命」「神の国」など数々の失言やスキャンダルが重なり、わずか1年で退陣を余儀なくされた。あれから20年以上経つが、最近の発言もたびたび物議を醸している。
昨年2月、「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」などと発言し、“女性蔑視”だとして批判を浴びたことも記憶に新しい。当時、就任していた東京五輪・パラリンピック組織委員会の会長を辞任し、会見で「発言については撤回したい」と釈明。しかし、質問を重ねる記者に対して「面白おかしくしたいから聞いてんだろ?」とすごむなど、“逆ギレ会見”だとして再び厳しい声が上がったのだった。
「今年6月に開かれた自民党議員のパーティーでは、森氏が東京五輪・パラリンピック組織委員会の会長を辞任した原因を振り返る一幕がありました。一度は自らの発言を撤回したはずでしたが、『女の人はよくしゃべると言っただけだ。本当の話をするので叱られる』などと不満を漏らしたというのです。
さらに10月29日に出席した金沢医科大学の創立50周年記念式典でも、『つえをついていると身体障害者に見えて、みんなが大事にしてくれる』と述べ、“障害者を揶揄している”と批判されたばかり。今回のゼレンスキー大統領への批判も、大勢の人前でのスピーチでした。元首相という立場であれば尚更、自らの発言がどのように影響するかを考えた上で話すべきでしょう」(前出・全国紙記者)
何度批判を浴びても、反省するどころか失言を繰り返す森氏。ネット上では、“学ばない85歳”に厳しい声が相次いでいる。
《あなたはいい加減に黙ってください》
《1ヶ月もしない間にまた失言。失言リストの更新が追いついてない》
《こんな人が日本の総理だったなんて、日本人として恥ずかしく思う。情け無い》
《持論を述べるのはいいと思うが、公の場で言うの止めてほしい。そして、この人はもう表立った所に出て来て欲しくない》