「この映画が日本のみなさんのみならず、世界中のたくさんの人たちに楽しんでもらえることを願っています」
こう語ったのは松本潤(38)。
松本は10月25日に行われた嵐初のライブ映画『ARASHI Anniversary Tour 5×20 FILM“Record of Memories”』の記者会見に出席。松本にとって公の場は、昨年大みそかに嵐が活動を休止して以来、約10カ月ぶりとなった。本作は’19年12月に嵐が東京ドームで行ったライブを撮影し、松本はそのライブ演出も務めている。
1年弱にわたり表舞台から遠ざかっていた松本だが、決して暇を持て余していたわけではない。
「春先から12月公開の映画『99.9-刑事専門弁護士-THE MOVIE』の撮影に入り、最近は来年1月クールに主演する連ドラ『となりのチカラ』(テレビ朝日系)の準備に追われています。8月から2カ月ほどニューヨークに滞在していましたが、旅行ではなく演出の勉強が目的だったといいます」(芸能関係者)
さらに、松本は極秘裏に“一大プロジェクト”も進めていた。
「今年の2月ごろから、ジャニーズの後輩たちにライブ演出のいろはを伝える講義を行っています。リモート形式で行われ、すでに複数回開催されたそうです。以前から松本さんは自宅に後輩を招き、演出についてアドバイスをしていましたが、“松本さんの演出スキルを学びたい”と希望する後輩が多く、松本さんもそうした声を受けて本格的な講義形式で開催することを決断したといいます。
所属グループのライブ演出で中心的な役割を果たし、受講に強い意欲を見せていたKing&Princeの神宮寺勇太さん(24)、Sexy Zoneの菊池風磨さん(26)、ジャニーズWESTの藤井流星さん(28)、Kis-My-Ft2の北山宏光さん(36)ら4人が参加していると聞いています」(音楽関係者)
■WEST藤井は自腹で海外にも同行
水面下でスタートした「松潤塾」。松本はこれまで演出家として偉大な実績を残してきた。
「松本さんはこれまで、気球に乗ったメンバーがドームの天井から現れるといった斬新な演出プランを次々と発明しています。宙づりになって天井を歩く“MJウォーク”は故・ジャニー喜多川さんも大絶賛したそうです」(前出・芸能関係者)
4人の“生徒”たちはそんな松本への憧れを抱き続けていた。
「松本さんを“師匠”と仰ぐ藤井さんは、嵐の地方ドーム公演を訪れ、終演後の松本さんとスタッフとの反省会にも参加。松本さんが演出の勉強でラスベガスに行った際も自腹で同行したほどです。
菊池さんは、ライブ演出に取り組み始めた当初に松本さんから『最前列から最後列までどのお客さんも同じ金額のチケット代を払っているんだよ』と言われたことを、演出を手掛ける際、常に心にとどめているそうです。共演経験は少ないですが、北山さんが日本にない舞台装置を海外から取り寄せたのも松本さんの影響でしょう」(ライブ制作関係者)
キンプリも若手ながら’19年に行ったツアー演出の一部を松本に依頼するなど深いつながりが。演出担当の神宮寺は嵐が’18年から行ったツアーを観賞した際の思い出をこう振り返っている。
《「5×20」は一生心に残るコンサートで、素晴らしいエンターテインメントを見させていただきました。(中略)嵐さんがいろんなことに挑戦してる姿は、後輩であり海外を目指している僕たちに夢を与えてくれています》(『ザテレビジョン』’21年1月1日号)
アイドルだけでなく演出家の先輩としても後輩たちを導く松本。「松潤塾」では嵐で培った“魂”を教えているようだ。
■松潤が伝える嵐のライブ哲学“全てのお客さんが満足を”
「講義では具体的な演出方法といった技術よりも、松本さんは“お客さんとの向き合い方”を力説しているそうです。松本さんはライブ前に必ず会場の全ての席を歩き、あらゆる角度からステージがどう見えるかを確認します。
可動式の舞台が観客の頭上を通過する“ムービングステージ”を日本で最初に取り入れたのも松本さんですが、“全てのお客さんが満足しないと意味がない”という松本さんの信念によるものです」(前出・ライブ制作関係者)
かつて松本は自身の“演出論”についてこう語っている。
《一番大切にしているのは、会場に来て下さった皆さんと「どういう時間を過ごすか」なんです。出演側が一方的に見せるのではなく、見てくれる人がいて初めて成立するものを作ってるつもりです》(『日経エンタテインメント!』’14年1月号)
また「松潤塾」を開講したタイミングについても松本の“願い”が込められているという。
「松本さんはありとあらゆるジャンルのライブを見学し、海外にも勉強しに行くなど苦労しながら独学で演出を学んできました。よく“自分たちが苦労したから後輩に教えられることは教えたい”と話していたといいます。
そこで嵐の活動休止を機に、自分が培ったノウハウを正式に講義という形で継承することを決断したそうです。また、再来年に主演する大河ドラマの準備が始まる前に伝えたいという思いもあるのでしょう」(前出・音楽関係者)
そして今は亡き“心の師匠”との約束もあるようだ。
「松本さんが尊敬してやまないジャニーさんの夢がジャニーズの本格的な世界進出。その遺志を継ぐ松本さんとしても、世界に通用するライブ演出を後輩たちとともに考えていく心づもりだといいます」(前出・音楽関係者)
冒頭の会見で「世界の人たちに日本のエンタテインメントを見てもらえるように、これからも表現者として頑張っていきたい」と語っていた松本。
「松潤塾」で育った後輩とともに世界を駆ける日がいつかきっと来るはずだーー。