カメラの前では笑顔で周囲を笑わせる人気芸人たち。その裏では笑顔が一切消える現場もーー。本誌はテレビ番組スタッフ50人に“空気がピリつく人気芸人”の名前をあげてもらった(複数回答)。複数票を獲得した芸人を一挙公開!
2票を獲得したのはバナナマンの設楽統(49)。情報番組『ノンストップ!』(フジテレビ系)のMCを務め、「’22年テレビ番組出演本数ランキング〈関東〉」では548本と2年連続で1位だ。
「昔、番組収録中にふがいない後輩芸人にキレて楽屋に帰って、番組がお蔵入りになったのは有名。その逸話から、設楽さんと絡みの少ない若手芸人はとにかく緊張します。そして洞察力や人を見抜く力、面白さを見抜く目がすごい。現場は緊張感が漂いますが、設楽さんと初めて仕事をしたスタッフは『一撃でやられる』と言っています」(番組関係者)
同様にストイックゆえに現場をピリつかせるのは同じく得票数2の加藤浩次(53)。3月末に終了する情報番組『スッキリ』(日本テレビ系)では17年間にわたってMCを務めた。
「めちゃめちゃ怖い(笑)。スタッフに対しても『それおかしいだろ!』って声を荒らげる。ただ、言葉は乱暴だけど、前向きなけんかというか、愛情というか、本当に番組をよくしたい気持ちがある人。『台本どおりやればいいのね』という芸人さんがほとんどだけど、加藤さんは自分の考えがしっかりしているから、いい意味で口を出してきます」(情報番組関係者)
そんな加藤の『スッキリ』の後番組『DayDay.』を引き継ぐのが同じく2票の山里亮太(45)。
「山里さんは仕事に対して、とにかく真面目でストイック。スタッフの説明がいい加減だったり、段取りが悪かったりすると、打ち合わせ段階から細かいところまで確認してくる。準備不足のスタッフが『こんなんで放送中に事故が起こったらどうすんの!』と怒られることもしばしば。とはいえ、あくまで番組をよくするためだとわかっているので、山里さんを悪く言う人はいません」(バラエティ番組関係者)
博多大吉(51)も2票獲得でランクイン。情報番組『あさイチ』(NHK)のMCを務める。
「仲間内の飲み会では説教魔になるため、大吉さんのいる飲み会に後輩芸人が行きたがらない(笑)。後輩が出演した番組やライブ、YouTubeまでよく見ていて、しかもダメ出しの指摘があまりに的確でグウの音も出ないから、飲み会でも息苦しいのだとか。大吉さんは後輩の将来のためを思って言っているのだけど、言い返せない後輩を見ると周囲はピリつくとか」(お笑い番組関係者)
■千鳥・大悟は「番組の事前アンケートを嫌がる」
3票を獲得したのは千鳥の大悟(42)。コンビでは冠番組を6本も抱え、勢いは止まらない。
「番組を作るための事前アンケートを嫌がります。アンケートが1行みたいなやる気のない芸人さんもいますが、むしろ『アンケートより直接打ち合わせしよう』というタイプ。意志が強く、納得しないと歩み寄らない姿勢には威圧感がありますが、だからこそ売れている」(バラエティ番組関係者)
同じく3票獲得したのは、コンビそろって年間番組出演数が450本を超えるかまいたちの山内健司(42)と濱家隆一(39)。
「忙しすぎて疲れているのか、打ち合わせでうんともすんとも言わない」(バラエティ番組関係者)
「もともと劇場番長で、いわば最後の“たたき上げ芸人”。体育会系の怖さというか……。特に濱家さんのほうが言葉はキツいですね(苦笑)」(お笑い番組関係者)
第3位は4票獲得のバカリズム(47)。6本もの番組でMCを務めるほか、脚本家や俳優としても多才に活躍している。
「後輩芸人をピリつかせることで有名。理由は番組で共演しても、後輩をフォローすることがほとんどなく、ことごとくスベらされるから。後輩芸人は共演したがらない」(バラエティ番組関係者)
「空気の読めない後輩芸人をプライベートの旅行の途中で帰宅させた過去が。人見知りで論理派のため、とっつきにくい印象が強いです」(お笑い番組関係者)
■劇団ひとりは「キャンピングカーを楽屋代わりに」
5票獲得の堂々第1位に選ばれたのは2人。その一人が麒麟の川島明(44)。情報番組『ラヴィット!』(TBS系)MCを務めるほか、バラエティや競馬番組など年間番組出演数500超の売れっ子だ。
「今は真面目すぎて怖い。昔、相方の自伝が売れてブレークしたとき、川島さんは“じゃない方芸人”でした。ナレーションの仕事を頼んだら『どうせ俺なんか声の仕事ぐらいしかこない』と腐ってた時代が懐かしい(笑)。でも、ある時期から吹っ切れていまや引っ張りだこ。そんな過去からか万事に真剣すぎて緊張感が半端ない」(情報番組関係者)
「朝の『ラヴィット!』に出演した後の仕事では、局に数少なくなっている和室の楽屋と布団を頼むんです。多忙で睡眠時間が2〜3時間しかないので終わったら寝たいと。正直、面倒な点もありますが、多忙すぎて体が心配なので納得」(バラエティ番組関係者)
同じく5票の1位だったのが劇団ひとり(46)。テレビだけでなく作家、俳優、映画監督としても評価の高いマルチな活躍ぶりだが、テレビ局関係者は“現場泣かせ”だと口をそろえる。
「醸し出す特有な空気で共演する若手タレントが最初固まってしまう」(バラエティ番組関係者)
「人見知りが激しく、飲み会は参加しない。楽屋は人が来るから落ち着かないらしく、キャンピングカーで移動して楽屋代わりにすることも」(トーク番組関係者)
「基本的に他人とつるまない一匹狼。実際は怖い人ではないのですが、周りが勝手に萎縮するのかも」(お笑い番組関係者)
今回、設楽、加藤、山里、大吉、川島と平日朝の情報番組のMCが多くランクインしているがーー。
「帯番組を担当する芸人さんはプレッシャーも大きく、元来ストイックな人が多いので緊張感のある現場になりがち」(番組関係者)
仕事への真剣さ、後輩への叱咜、人見知りなど理由はそれぞれ。ピリつく空気をまとうのは、ある意味“トップ芸人”の証しなのかも!