オアフ島のビーチでくつろぐハワイモンクアザラシ(写真:AP/アフロ)
今や、何でもシェアする時代。良い写真や動画が撮れると、ソーシャルメディアに投稿するのはごく普通のことになった。しかし、何がトラブルの火種になるかは予想がつかない。
6月、あるカップルが米ルイジアナ州からハワイへ新婚旅行に出かけた。カウアイ島のビーチでハワイモンクアザラシに遭遇した2人は大はしゃぎ。妻がアザラシにタッチし、アザラシが怒って威嚇する様子を夫が撮影し、TikTokに投稿した。この動画は、批判と共に拡散され、大炎上してしまった。何がいけなかったのだろうか。
ハワイモンクアザラシは絶滅危惧種IB類に分類され、ハワイ州の州哺乳動物にも指定される希少生物。Honolulu Star-Advertiser紙によると、触れたり、嫌がらせをるすることはクラスCの重罪にあたり、違反した者には5万ドル以下の罰金や最高5年の懲役刑が科せられることもあるという。当局は保護のため、ハワイモンクアザラシとは最低約6メートルの距離を保つことを推奨している。
動画には、砂浜で眠っているハワイモンクアザラシが突如女性に触られたことに驚き、噛み付こうとしている姿が収められている。
スティーヴンと名乗る夫は、前出のHonolulu Star-Advertiser紙の取材に応え、「深くお詫び致します。私たちはハワイとその文化を尊重しています。誰かを怒らせるつもりはありませんでした」と謝罪。動画の投稿後から、罵詈雑言だけではなく殺害予告まで送りつけられていることを明かし、「私たちは動物を愛しています。危害を加えたり、怒らせるつもりなどありませんでした」と釈明した。
アメリカ海洋大気庁は先週末に夫婦に連絡を取り、罰金の支払いを命じたという。金額は公表されていない。