「西島さんが今回の収録現場に入るやいなや、内野さんに近づき、耳元で『本当はケンジなんだろ?』とささやいてきたそうです。内野さんはこらえきれず笑っていましたね」(ドラマ関係者)
8月19日に放送されたNHK連続テレビ小説『おかえりモネ』での内野聖陽(52)と西島秀俊(50)の“再共演”が話題を呼んでいる。
「この日はほぼ15分、ヒロイン・百音(清原果耶)が勤める気象情報会社の上司役の西島さんが百音の父を演じる内野さんに心のうちを打ち明ける放送回でした。2人は2年前のW主演連ドラ『きのう何食べた?』(テレビ東京系)では、同性カップル役を好演。内野さんが陽気な美容師・ケンジ、西島さんが倹約家で几帳面な弁護士・シロさんに扮し、深夜ドラマながら大きな話題になりました。その“名コンビ”の再共演だけにネット上では《朝から号泣》《神回だ!》といった書き込みが殺到したのです」(NHK関係者)
当初は、2人の共演シーンは予定されていなかったという。
「『おかえりモネ』も『何食べ』も人気脚本家・安達奈緒子さんが手がけています。とはいえ、世界観が異なるため朝ドラでの“再共演”は考えていなかったようですが、キャスト発表後、『何食べ』ファンからのラブコールが殺到したこともあり、今回の共演につながったようです」(前出・NHK関係者)
内野が7月17日放送の『土曜スタジオパーク』(NHK)に出演した際、西島はビデオメッセージを寄せ、こう語っていた。
「内野さんと共演していると、感動するんですよね。これはやっぱり、僕にとっては特別な人で。ほかの役者さんも皆さん、内野さんと共演していると自然と感情が揺れると思うんですけど、僕はやっぱり特別ですね。内野さんと共演していると、なんかもう涙がこぼれて仕方がないという……」
内野に“魂で演技する”と最高の賛辞を送った西島だが、2人の付き合いは決して長い訳ではない。
■本誌は今年5月、内野が実母をサポートする現場を目撃
「’19年4月から放送が始まった『何食べ』がクランクインしたのは同年3月。キャリアの長い西島さんと内野さんですが、意外にもこれが初共演だったんです。内野さんはマネージャーから恋人役が西島さんだと聞いたとき、とてもワクワクして『やりたい!』と興奮し、共演を心待ちにしていたといいます。いざ現場で対面すると、お互い最初から“フィーリングが合う”と意気投合していましたね」(テレビ東京関係者)
役者として波長が合った2人だが、私生活でも当時、同じ“家族の悩み”を抱えていたという。
「西島さんの70代後半のお母さまが消化器系の病気で闘病生活に入っていたのです。都内の複数の病院に手術の相談をして、家族会議の結果、ある病院で手術を受けたのですが……」(西島家の知人)
一時的に回復したものの、結局再入院。西島も多忙ななか病院に足を運び、母を支えていたという。
「西島さんは『何食べ』の収録に全力投球しながら、休みの日の合間にはお母さまの介護をサポートしていたといいます。いっぽうの内野さんも、ご自宅近くで一人暮らしされているお母さまの足が不自由になったということで、定期的に介護しながら収録に臨んでいらっしゃったんです」(前出・ドラマ関係者)
内野の80代実母は4〜5年ほど前から自宅から車で数分のマンションで独居生活を送っている。本誌は今年5月、車で母を自宅に連れてきた内野を目撃している。親子水入らずで夕食を共にした後、内野は母を近所のマンションへと送っていった。
「彼の実家は寺院で、当然、後を継いでくれると思っていたお母さんは、一人息子である内野さんが役者の道を選んだことに複雑な思いもあったようです。『おかえりモネ』でも寺を継ぐことに否定的な百音の友人へ、百音の父親役の内野さんが『俺はお前の味方だ』と力強く応援する、私生活とリンクするようなシーンがありました」(前出・ドラマ関係者)
杖をついている母の車の乗り降りを手伝ったり、腕を貸して共に歩いたりする姿からは、内野の年老いた母への深い愛情と“贖罪の思い”が伝わってきたーー。
■西島&内野の輪に、山本耕史も加わって
「西島さんと内野さんは『何食べ』の収録の合間に肉親の介護を行っていたことを知って、お互いの悩みを共有したといいます」(前出・ドラマ関係者)
西島も“母への愛情”は、内野に勝るとも劣らない。1浪して横浜国立大学に入学したものの、自ら結成したバンドに没頭し、中退。その際、嘆きつつも最後は背中を押してくれたのが、ほかならぬ実母だったという。
「西島さんは、お母さまが無謀ともいえる芸能界への挑戦を許し、励ましてくれたことを一時も忘れず、感謝していたといいます」(前出・西島家の知人)
その最愛の母が、病いに倒れ入院。ドラマ収録の合間を縫って、介護に駆け付けていた西島だが、『何食べ』のクランクアップ後、’19年11月に亡くなったという。
「悲嘆にくれる西島さんを、内野さんは優しく励ましたといいます。内野さんのお母さまはいまも存命ですが、いまや2人はプライベートなことまで腹を割って話せる公私にわたっての盟友なんです」(前出・ドラマ関係者)
2人の原点ともいえる『きのう何食べた?』。その劇場版が今年11月に公開される。
「京都が舞台で南禅寺など名所をラブラブで巡る2人の旅の模様が見られます。撮影現場では、西島さんも内野さんも抱きつかんばかりに喜び合っていましたね。共演の山本耕史さんも『ついにお2人と仲よくなれた!』とうれしそうに話していました。『何食べ』の輪はさらに広がりそうです」(前出・テレビ東京関係者)
実母の介護で共闘し、苦楽を共にした2人は、これからも“特別な関係”であり続けることだろう。