ライトブルーのスーツをお召しの雅子さまは、特別機で神戸空港に到着されると、はつらつとした笑顔をお見せになった。
11月12日、13日の日程で、「第41回全国豊かな海づくり大会」ご臨席のために、兵庫県を訪問された天皇皇后両陛下。10月1日の栃木県への日帰りご訪問から再開された地方ご公務は、1カ月半で3回目となった。
皇室担当記者はこう語る。
「13日の『全国豊かな海づくり大会』では、マダイとヒラメの稚魚を放流されました。
『海づくり大会』は’19年には秋田県で開催されています。しかし台風の影響により、放流行事への参加はかないませんでした。今回こそ行事のすべてに参加できるということで、雅子さまもご体調管理には特に留意されていたと伺っています。
それにしても、この秋には雅子さまは多くの外出を伴うご公務に出席されており、そのご快復ぶりには目を見張るばかりです」
昨年の秋はコロナ禍のため、両陛下は外出を自粛されていた。
「基本的にご公務は御所か宮殿で臨まれ、地方で開催される式典にはオンラインで参加されていました。それに比べて今秋は、10月1日からの1カ月半で9日も外出を伴うご公務をこなされています。
特徴的なのは、事前発表の際は天皇陛下お一人となっていても、当日は雅子さまも出席されるというケースが増えていることです。
もちろん御所や宮殿でのお務めにも前向きでいらっしゃいます。11月2日、両陛下はドイツのシュタインマイヤー大統領夫妻と懇談されました。 雅子さまは大統領夫人とドイツ語をまじえてお話しされ、夫人も『お上手ですね』と、驚いていたとか。雅子さまは英語・フランス語・スペイン語・ドイツ語・ロシア語の5つの外国語を習得されていますが、まさに本領発揮という印象を受けました」(前出・皇室担当記者)
ご快復のきっかけについて、皇室ジャーナリストはこう語る。
「9月にエリザベス女王の国葬に参列されるためにイギリスを訪問されましたが、それが分岐点であったことは間違いないと思います。まず旧知の海外の王族方にも会われたことで、ご自身のお立場や使命を再確認されたことが大きいでしょう。強行日程によるご体調への悪影響も心配されましたが、帰国後も雅子さまはほとんどお疲れのご様子をお見せにならなかったと伺っています」
また英国ご訪問の閣議決定の前に、宮内庁は今後の地方訪問について、“両陛下そろってのご出席”を前提とすると説明している。
「“国内でのご公務より、海外ご訪問を優先されたのか”という批判を避けるためでしたが、雅子さまにとっても目標が明確になったといえるでしょう」(前出・皇室ジャーナリスト)
■1月2日に愛子さまが初めて一般参賀へ
さらにある宮内庁関係者は、佳子さまが話しかけられているうちに笑顔をお見せになりました。
愛子さまは平安期の文学や朝廷文化について研究を深めるうえで、皇室に伝わる雅楽の演奏や舞を体験しておくべきと判断され、出席を決められたそうです。
学園祭より宮中行事を優先するご姿勢からは、皇族としてのご使命に本格的に覚醒されつつあることも伝わってきます。そんな愛子さまのご成長ぶりに雅子さまも胸を熱くされていらっしゃると思います」
雅子さまのご公務数増加と、愛子さまの宮中行事ご出席について、名古屋大学大学院准教授の河西秀哉さんはこう語る。
「雅子さまや愛子さまのお出ましが増えれば、それだけ報道が増え、お二人、ひいては令和皇室への国民の親しみも深まっていくでしょう。また雅子さまと愛子さまがご公務に真摯に取り組まれるお姿そのものが、国民にポジティブな影響を与えていくことになるとも考えています」
来年1月2日の新年一般参賀には愛子さまも初めて参加される。愛娘とともに国民の前に立つことへの期待も雅子さまにとって励みになっているに違いない。