ゆりやんレトリィバァ(30)が“ピン芸人”の頂点に輝いた『R-1グランプリ 2021』(カンテレ・フジテレビ系)。2時間の生放送を仕切ったのは、お笑いコンビ・霜降り明星と広瀬アリス(26)だ。なかでも壇上の中央で仕切っていた粗品(28)の司会ぶりは、注目の的となった。
04年以降、本大会の司会は雨上がり決死隊が務めていた。しかし昨年は、蛍原徹(53)の“相方”として粗品が起用。そしてついに今年、司会を担うコンビの世代交代が果たされたかたちとなった。
「今回の『R-1』は大会名称も変更されたように、大幅にリニューアル。出場資格も芸歴10年目以内に絞られ、審査方法も1組終えるごとに審査員が点数を発表する『M-1』スタイルになりました。
しかしTwitterで行われた視聴者投票では、結果がなかなか出ないといったトラブルも発生。結果的に審査員のコメントを聞く時間が削がれるなど、かなりの“巻き”が求められることになってしまいました。
それでも粗品さんは、慌てずに淡々と進めていました。焦りは大きかったと思いますが、司会として可能な限りきっちりと締めくくってくれた印象です」(テレビ局関係者)
■視聴者からは賛否両論
コンビでは、18年の「M-1」で平成最後の優勝を飾った粗品。翌年に出場した「R-1ぐらんぷり」でも頂点に立つなど、“第7世代”のなかで最も勢いのある芸人だ。
出場側からわずか数年で司会者となった粗品だが、視聴者の評価は賛否分かれたようだ。ネットでは《安定半端ないな》や《達者でさすがだった》といった賛辞もあれば、《演者になんか冷たいな》や《対応力ないな》といった批評も。
また大会が“「M-1」スタイル”に近づいたことから、一部ではベテラン司会者の今田耕司(54)と比較する視聴者もいたようだ。例えば《粗品も頑張ってたと思うけど、今田さんやったら時々時間がないことをいじって笑いにしてたのかなと思う》といったコメントが見受けられた。
そんな注目を集める粗品だが、今田のように司会者として飛躍する可能性はあるだろうか。
「今田さんの“司会力”が注目されたのは、いまの粗品さんと同じ20代後半の頃。『ダウンタウンのごっつええ感じ』(フジテレビ系)がきっかけで、今田さんの存在は全国に知れ渡りました。
そんな勢いのなか、93年から放送された深夜バラエティ『殿様のフェロモン』(フジテレビ系)で中山秀征さん(53)と司会者に抜てき。一部生放送だったのですが、今田さんのノリの良さや物怖じしない姿勢は好評。スタッフから“仕切りの素質”を見出されたことで、司会の仕事が増えるようになったのです。
粗品さんと今田さんの芸風は異なりますが、生放送など“本番に強い”点では共通しています。19年に朗読を披露した『サントリー1万人の第九』でも、昨年は総合司会という大役を完遂。粗品さんなら『R-1』の司会も、回を重ねるごとに要領を掴んでいくでしょう」(前出・テレビ局関係者)
リニューアルした大会で大仕事を終えた粗品。“ネクスト今田耕司”として活躍する日が近いかもしれない。