(撮影:前康輔)
「雑誌で連載を始めたのがちょうど、僕自身、役者としての評価や立場が大きく変わった時期でした。この2年で自分の心のあり方みたいなものが変わったと思います」
そう語るのは、エッセイ集『THE やんごとなき雑談』(KADOKAWA)を出版した中村倫也(34)。多忙な俳優業のかたわら、文芸雑誌で毎月2,000字の連載をみごとに完遂した。
「自分でも常人じゃないと思いますよ。連載の後半は、朝5時に起きて書いていました。目が覚めた瞬間にパッと頭に浮かんだワードがめちゃよかったりして(笑)」
人気俳優の日常が率直につづられた今作。自分の内面をさらけ出すことに抵抗はなかったのだろうか。
「書くこと自体、面白くもあれば、恥ずかしくもあり、不安もありました。でも、それを全部ひっくるめても、これを読んでくれた人の“何か”になればいいと、それだけ。その夢のためにあくせくとやってきました。結局、たくさんの人を笑顔にすることが自分の癒しになり、僕の幸せなんです」
本著では独り身の寂しさから“婚活をすべきか、ペットを飼うべきか考えている”と告白している中村。気になる婚活は?
「自分が惚れっぽくないんで(笑)。だから、生まれ変わったらなりたいものの1つに、“惚れっぽくなりたい”っていうのがあるんです。あと、デリカシーのない人になりたい。この本を読んでもらえばわかりますけど、ちっちゃいことでウジウジやりおるじゃないですか、こいつ。気づかなくていいことまで見えちゃうとか、本当疲れるんですよ(笑)」
人生初のエッセイ集は現在3回重版され、7万7,000部の売り上げを記録。次回作の構想はある?
「日記みたいなものを書きたいですね。ただ、2作目となると、自分でハードルを上げちゃうのでなかなか挑戦しようってならないかも(笑)」