ラブラドールレトリバーの探知犬の活躍で、悪名高い小児性愛者の潜伏先が発見された。米CBS NEWSなどが伝えている。
約3週間前、オランダに拠点を置き、人身売買組織の摘発のために活動する団体「Free a Girl」から、米国にある同様の団体「Underground Railroad」に情報がもたらされた。
児童虐待や人身売買などの罪で当局から追われていたオランダ人のジェイソン・マートマンが、メキシコに潜伏しているというのだ。Underground Railroadはメキシコの警察と連携し、マートマンをおびき出す作戦を開始した。
マートマンはネット上で児童ポルノ販売や買春、人身売買といった自身の犯罪行為について公然と話していたという。
そこで、Underground Railroadは「君のビジネスパートナーになりたい」とチャットルームやソーシャルメディアを使ってマートマンに接触。
「僕のいるところは本当に危険だから、住所は教えたくないし、来てほしくもない。でも、ガソリンスタンドで会うことはできる」とのマートマンの誘いに乗り、待ち合わせ場所で張り込んだ。
現れたマートマンは銃とコカインを所持していたため、その場で逮捕された。しかし、児童虐待の証拠となるものは所持していなかった。逮捕された現場も自宅ではなかったため、その証拠がどこにあるかもわからなかった。
そこで警察は、防犯カメラ映像をたどり、マートマンが出てきたおおよその場所を特定。そこに現れたのが、米インディアナ州のK9(警察犬)アカデミーで訓練を積んだ黒いラブラドールレトリバー(黒ラブ)のヒドゥだった。
ヒドゥは、フラッシュドライブやメモリーカードなどの電子機器に使われるトリフェニルホスフィンオキシド(TPPO)という物質の匂いを嗅ぎ分ける訓練を受けた探知犬だ。
麻薬取引や暗号通貨での違法な取引など、最近の犯罪者はあらゆる情報をフラッシュドライブに保存していることが多いため、ヒドゥのような電子機器探知犬の需要が高まっていると、CBS NEWSは伝えている。
ヒドゥは一軒のアパートに入り、洗濯物の下から携帯電話を発見。さらに、絵画の裏の壁の中にあるハードドライブの匂いも探知して知らせた。
その他、複数の場所に分けて隠されていた記録装置を見つけ出し、最終的に4テラバイトを超える児童ポルノや、児童に対する性的虐待の証拠となるデータが発見され、押収されたという。