「どんなに忙しくても、坂口くんはお母さんと頻繁に連絡を取り合っています。『いちばんLINEしているかも(笑)』というほど……。お母さんは毎日朝ドラを楽しみにしていて、坂口くんも送られてくる感想を励みにしています。『朝ドラは、誰よりも母に見てほしい』と話していましたね」(舞台関係者)
現在放送中のNHK連続テレビ小説『おかえりモネ』(NHK総合)。そこで医師・菅波光太朗を好演しているのが坂口健太郎(29)だ。
坂口といえば、'10年に開催された『第25回MEN'S NON-NO モデルオーディション』に合格しモデルデビューを果たした。’14年には俳優デビューし、朝ドラに限らずドラマや映画に引っ張りだこ。
しかし当初は、順風満帆な船出とはいかなかったようだ。
「坂口くんはモデルを始めたての1年ほどはオファーがなく、『全然仕事がない。そうそううまくいくもんじゃないなぁ』とボヤくこともあったそうです」(坂口を知るモデル仲間)
その当時から、坂口を励ましてきたのが、彼の母親だという。
「坂口くんが人気商売で浮き沈みの激しい芸能界に入ることに全く反対せず、むしろいちばん背中を押したのがお母さんなんです。その姿勢は常に一貫していて、今でも彼の出演作を必ず録画し、チェック。雑誌もすべて目を通しているそうです。ひょっとしたら、本人よりも出演情報を把握しているかもしれません(笑)。
また坂口くんが多忙で休日がないときは、お母さんが率先して彼の自宅に出向いて掃除をしたり、料理の作り置きをしたりして助けています。坂口くんは『母は僕のことをいちばん理解してくれる人』と周囲によく感謝の思いを伝えています」(前出・舞台関係者)
■「母親をハグする人がもういない」
そもそも俳優業に歩みを進めたのも、母親がキッカケだったと'14年10月の『+act.』のウェブインタビューで語っている。
《昔小さな劇団に入ってた母親がかなりの読書好きで、僕に『この本の○○が健ちゃんに似てるよ』とか頻繁に言ってくるんです。だから、本を読む時に自然と自分を投影するようになったりして、今思えば、そういうことが影響してるのかもしれない。演技というものをそこまで遠く感じてはいなかったというか》
坂口は数年前から母親に会うと必ずといっていいほどハグをするという。それはある出来事が原因だった。
’19年6月30日放送の『ボクらの時代』(フジテレビ系)で、坂口はこう語っている。
「もう親父がいないんで。だから、ふと気づいたときに『母親をこれからハグする人っていないな』と思ったんですよ。それで、僕は『会ったら絶対ハグしよう』って決めて……」
父の急逝について、坂口は今年3月18日放送の『徹子の部屋』(テレビ朝日系)でも、
「衝撃というか。すごく仲よしだったので。病気ではなかったんです。体が丈夫だったので、ビックリはしたんですけど……」
と語っていた。母親同様、父親も坂口にとってかけがえのない存在だったようだ。
「坂口くんが『父親似なんだ』と話すほど、お父さんもスラッとした高身長。お父さんの影響で洋服が好きになり、モデルを志す理由のひとつになったみたいです。2人で渋谷や表参道に行き、買い物をするのが、ほかの誰と行くときよりも楽しかったといいます。恋愛や仕事の相談もしていたそうです。
第一線で活躍するようになってからは食事に連れていったりプレゼントを買ってあげたりと親孝行もしていました。仲よしだからこそのけんかもたくさんしてきたそうですが、今ではいい思い出だといいます。ですから、お父さんが亡くなったときは本当にショックでご飯も喉を通らなかったそうです」(俳優仲間)
幸せな家族を襲った、父親の急死。それゆえ、“母親ファースト”を心がけるようになったと俳優仲間は続ける。
「大きな心の空洞を埋めるように、遺されたお母さんをより一層大切にするようになったそうです。そしてどんな役も全力で演じることが両親への恩返しだと信じているといいます」
母に惜しみなく愛を捧ぐ坂口。その姿を、天国の父も喜んでいることだろう――。