「小室眞子さんの結婚は、義母となった佳代さんの金銭問題もあり、祝福ムードとは言えない状況でした。これまで降嫁した元女性皇族のお相手の男性は、旧華族や旧家出身であったり、親や本人が皇族方と交流がある人ばかりでしたので、今回のような問題は起きなかったのです。また“皇室利用されない”という観点から、皇族のお相手は公的職業や、競争社会から距離を置いた人が多いのも特徴です。生き馬の目を抜くようなニューヨークで弁護士生活をスタートさせる小室さんの今後も、注目されるのではないでしょうか」
そう語るのは、皇室ジャーナリストの近重幸哉さんだ。
この先、小室眞子さんはどのような生活を送るのか。そのヒントとなる、かつてのプリンセスたちの“今”を追った。4人は、みな故・三笠宮崇仁親王の子や孫であるが、生き方はそれぞれだ。
【近衞寧子さん(77)】
続柄:三笠宮家長女
結婚時期:1966年12月18日
一時金:2,790万円
夫:近衞忠輝さん(82)
門閥:旧五摂家近衞公爵家
結婚時の夫の仕事:日本赤十字社勤務
その後の主な経歴:日本赤十字社社長→同社名誉社長
結婚に至る経緯:忠煇さんの母方の祖父は近衞文麿。近衞家の当主が不在になったため、養子に。甯子さんは夫の転勤にあわせ海外生活も経験。
三笠宮崇仁親王と百合子さまの間に生まれた第1女子。学習院大学在学中に近衞忠輝さんと結婚。
「近衞家といえば、公家の名家中の名家といえる五摂家の一つ。忠輝さんは、総理大臣を務めた細川護煕さんの実弟です」(近重さん)
結婚後、寧子さんは本誌の取材に対し、皇籍離脱について、
「感慨? そうね……それよりむしろ、結婚するという感慨のほうが強かったから、あんまり感じませんでした。(中略)それは内親王だからというより、女の子が結婚するとき、だれでもいだく複雑な気持ちじゃないかしら?」
と、すき焼き店で答えている。
「会合などに出席すると、寧子さんの周囲には自然と人が集まるそうです。こうした求心力もあり、長年、学習院女子部の同窓会『常磐会』会長を務め、今年6月に名誉会長に就任しました」(近重さん)
【千容子さん(70)】
続柄:三笠宮家次女
結婚時期:1983年10月14日
一時金:9,180万円
夫:千政之さん(65)
門閥:裏千家
結婚時の夫の仕事:裏千家次期家元
その後の主な経歴:裏千家家元
結婚に至る経緯:フランスでの留学生活も経験した容子さん。当時としては遅めの31歳のときに、政之さんと結婚。2男1女に恵まれた。
三笠宮崇仁親王と百合子さまの間に生まれた第2女子。近衞寧子さんの妹にあたる。
「’83年に嫁いだ先は、千利休を祖とする茶道の流派・裏千家。5歳下の夫の千宗室さん(本名・政之)が現在の家元です」(近重さん)
’18年、本誌は容子さんの詩人として活動している長男を取材している。
そこで母親のことを「宮さまはじめ、皇族の方々は大きな声ではなく、聞きやすいように一定の調子で、美しく、穏やかにお話しになられる。母も同じで、日常で使う『ごきげんよう』『ごめんあそばせ』など、古いおうちなら珍しくない言葉ですが、板についているというか、絶対的な“何か”がありました」と語っている。また、長男が家元を継がず、詩人の道を歩むことに対しての母の反応は、
「すごく自由な人で、子を尊重してくれました。母が皇室という世界から降嫁してきたからこそ、一人の人間として、自由に生きたいという思いを強く持っているためかもしれません」
現在は、家元である夫、次期家元の次男を支えているという。
【千家典子さん(33)】
続柄:高円宮家次女
結婚時期:2014年10月5日
一時金:1億675万円
夫:千家国麿さん(48)
門閥:出雲国造
結婚時の夫の仕事、その後の主な経歴:出雲大社権宮司
結婚に至る経緯:古くから出雲を治めた出雲国造の子孫であり、出雲大社の宮司・千家家に嫁いだ。結婚式は出雲大社で行った。
高円宮家の第2女子である典子さんと、大国主大神を祀る出雲大社の権宮司・千家国麿さんの結婚は、“歴史的慶事”と報じられた。
だが、夫婦の目撃情報は乏しく、心配する声もあると、千家家と交流のある関係者が語る。
「’16年に夫婦の家が新築されましたが、国麿さんをお見かけすることはありません。お母さまの久子さまが島根を訪問されたときは、典子さんと近くのワイナリーで焼き肉を楽しまれたそうですが、その席にも国麿さんはいらっしゃらなかったようです」
一方、夫の実家との仲は良好だ。
「何かの会合や集まりに、典子さんが国麿さんのご両親と一緒に参加しているのを見かけます。国麿さんのお母さまと仲がよく、一緒に買い物をされたり、音楽を聴きに行ったりしているようです」(前出・関係者)
出雲大社で犬を遊ばせているジーパン姿の典子さんも目撃されており、出雲の土地にすっかりなじんでいるようだ。
【守谷絢子さん(31)】
続柄:高円宮家三女
結婚時期:2018年10月29日
一時金:1億675万円
夫:守谷慧さん(35)
門閥:−
結婚時の夫の仕事、その後の主な経歴:日本郵船社員(国境なき子どもたち理事)
結婚に至る経緯:社会福祉士の資格をもつ絢子さん。NGO団体「国境なき子どもたち」の副会長だった慧さんの母と、絢子さんの母の久子さまにご交流があった縁で知り合った。
高円宮家の第3女子・絢子さんが’18年に結婚した守谷慧さんは日本郵船社員。NGO法人「国境なき子どもたち」の副会長だった慧さんの母・季美枝さん(故人)と、絢子さんの母である久子さまは同団体の活動を通じて交流があった。
「母の遺志を継ぎ、この団体の評議員をしていた慧さんを、久子さまは絢子さんに紹介されたのです」(近重さん)
こちらの“けいさん”は最初から親公認だったのだ。
「絢子さんは福祉分野に興味を抱き、城西国際大学の福祉総合学部で学ばれました。子どもたちを支援する守谷さんの活動にも思いを寄せたのでしょう」(近重さん)
’19年11月には2人の間に長男の穣くんが誕生。絢子さんに顔立ちがそっくりだという息子の育児に奮闘しているという。
これまで結婚して一般人となった元皇族は、天皇の娘であった黒田清子さん(52)、池田厚子さん(90)、島津貴子さん(82)の3人をあわせて7人。それぞれが違う人生を懸命に生きている。8人目の眞子さんはどんな道を歩むのか。第二の人生は始まったばかりだ。