「私たちは、すべて千葉への愛情“だけ”でやり切りました。有名人じゃない僕らで作った割には、素晴らしいお別れ会になったと自負しています」
こう語るのは、昨年8月に亡くなった千葉真一さん(享年82)のお別れの会「さらば!千葉真一」を発起人としてジャパン・アクション・クラブ(JAC)代表の西田真吾さん(58)だ。
1月22日に東京・芝公園の増上寺光摂殿で行われた千葉さんのお別れの会は、千葉さんと親交の深い関係者や、ファンの計約500人が参列。なかでも、注目を集めたのが千葉さんの息子で俳優の新田真剣佑(25)、眞栄田郷敦(22)兄弟が、連名で寄せたコメントだった。
《父と同じ俳優となり、生前、父が見つめる景色をぼんやりとですが最近見え始めたところです。僕たちの心の中には父として、そして俳優として今も変わらず息づいています。その父、千葉真一を僕たち同様、愛し続けていただけると幸いです》
逝去後も何かと話題に事欠かない千葉さんだが、その息子たちである真剣佑と郷敦の活躍も目覚ましい。西田さんは、晩年まで千葉さんのそばにいた“最後の愛弟子”だ。真剣佑と郷敦兄弟にとっても、頼れる兄貴分で、普段から連絡をよく取り合うという。
「お別れ会の翌日に、現在『ONE PIECE』(Netflixドラマ)の撮影で海外にいるマッケン(真剣佑)が、『ご苦労様でした、ありがとう!』と、わざわざお礼の電話をかけてきたんです。
会にマッケンの友達もいっぱい来ていたそうです。僕は友達の顔を知らなかったので、その時はじめて知ったのですが(笑)。
普段のマッケンは、抽象的で独特な言い回しをする男なのですが、その彼がストレートに『ありがとう』と言ってくれた。驚きましたし、それだけでもうれしいですよ。
郷敦は、大阪でファンイベントをやることが以前から決まっていたので、お別れの会は欠席したのですが、そのイベントの中でも会のことを話してくれたと聞きました」
千葉さんの最期を看取った西田さん。その姿を真剣佑に伝えたのも、西田さんだった。
「千葉さんが亡くなった日、マッケンはハリウッド映画『聖闘士星矢』の撮影で海外にいましたから、すぐには連絡が取れない状況でした。
ところが不思議なことに、千葉さんが亡くなった瞬間にマッケンから電話がかかってきたんです。電話口で彼の声を聞いたとき、思わず僕は泣き崩れました。
それでもマッケンが気丈に言うんです。『西田さん大丈夫? スタッフのみんなは大丈夫? 僕は大丈夫だから』と……。本当はアイツの方がつらいはずなのに……。それでまた僕も泣けてきたんですけどね」
■真剣佑なりの“弔い”
真剣佑は千葉さんの遺骨に対面していないが、西田さんによると、彼なりの“弔い”をしているという。
「四十九日が終わった10月下旬、マッケンは君津市にある千葉さんの自宅に行っているんですよ。千葉さんの自宅は森のなかにあるので、よく野良猫がベランダとかにやってくるんですが、みんな人に懐かない猫ばかりなのです。
ところが、マッケンが訪れた時に、ある1匹の猫がめずらしく彼に懐いたんです。その猫を気に入ったのか、マッケンは『この子をお父さんだと思ってかわいがろうね!』なんて言うのです。お父さんがずっと住んでた家で、マッケンなりの弔いのつもりなのでしょう」
現在真剣佑は、撮影のため、南半球のある国に滞在中だという。
「マッケンは、いま身体づくりの真っ最中で、日本からも専属トレーナーを連れて行って頑張っています。数日前に、『まだ時間があるから(ボクシング漫画の)『はじめの一歩』を読んでるよ』なんて連絡が来ました。
『聖闘士星矢』のことは、生前の千葉さんは聞いていましたが、『ONE PIECE』出演のことは知らずに亡くなりました。それだけに『ONE PIECE』では、偉大な父を喜ばせる演技をしてくれるはずです」
天国の千葉さんも、さぞ頼もしいことだろうーー。