いま飛ぶ鳥を落とす勢いの女優・吉岡里帆(24)。『ゆとりですがなにか』(日本テレビ系)『カルテット』(TBS系)と話題作に多数出演。現在のCM出演は8本。7月からはTBSの日曜劇場『ごめん、愛してる』で連ドラ初ヒロインも決まっている超売れっ子女優だが、ほんの4年前までは出身地・京都の小劇場の「舞台の袖で泣いていた…」というのだ。
「とくに彼女は、ラブコメっぽいシーンでめっちゃ苦労していましたね。最初は男性の役者がボディタッチするだけでも緊張していて、どうなることかと思っていました」
そう語るのは当時の共演者。大学生だった吉岡は学生演劇の“熱さ”に魅了され、衝動的に小劇場の世界に飛び込んだという。だが、そこで大きな壁にぶつかっていたようだ。
さらに吉岡がヒロインを務めたある舞台での“恋人役”が、当時の稽古中のエピソードを明かしてくれた。現在は、京都を拠点にする劇団「安住の地」に所属する俳優・岡本昌也さん(22)だ。
「滋賀県にあるロッジみたいなところで、2泊3日の合宿をしたのですが、日が沈むまで稽古しても、お互いぎこちないまま。さすがに共演者たちも途方にくれてしまいました……。
そこでしびれを切らしたのか、演出家が『おい、2人で外に出て行け!』と怒鳴り始めたんです。しょうがないなと、夜空の下で『ご趣味は?』ってお見合いみたいな感じで一晩語りあいました(笑)」
その夜をきっかけに、段々と恋人同士の役らしい雰囲気が出てきたという岡本さん。2人で何度も稽古を繰り返し本番に挑んだ。
「カーテンコールでやった、ボクが吉岡さんを抱きしめてぐるぐる回るシーンなんて、ものすごい勢いで吉岡さんが飛び込んできたんです。最初の“遠慮がちな吉岡さん”はどこにいった~、ってくらい痛かった(笑)。とくにキスシーンの演技は、ラブラブな恋人同士にしか見えなかったはずですよ」
こうして見事ヒロインを演じきった吉岡。『ごめん、愛してる』では初の連ドラ主演に挑むが、もう、どんな役がこようとも恐れない“たくましい女優”になっているはずだ。