1月1日に放送された『ジョブチューン ~アノ職業のヒミツぶっちゃけます!』(TBS系)のお正月SP「セブン‐イレブン・ファミリーマート・ローソン × 超一流料理人」で、一部内容が物議を醸している。
「それぞれのコンビニの従業員が選んだ和・洋・中5品、スイーツ3品の合計8品を、一流料理人やスイーツ職人が合格・不合格をジャッジする内容でした」(テレビ誌ライター)
注目を集めているのは、審査員の1人である有名シェフがファミリーマート(以下、ファミマ)の「直巻和風ツナマヨネーズおむすび」(税込118円)を食べることなくジャッジしようとしたことだ。
ファミマのおむすび開発担当者は、「醤油と出汁感にこだわって、香りがふんわり香って旨味の余韻が残るような仕立てにしておりますので、その出汁感を感じながら召し上がって頂ければ」と紹介。
審査員が順番におにぎりを試食していくなか、“イタリアンの鬼才”と呼ばれる有名シェフは入念に見た目をチェック。おにぎりをなかなか口に運ばない様子に、「え? なんで?」「嘘でしょ」とスタジオは騒然。
そこで進行のアナウンサーが「何かありましたでしょうか?」とシェフに質問。するとシェフは、「いや、もう僕いいです」と返答。アナウンサーが「召し上がらない?」「食べなくても結果が出せる?」と尋ねるも、「はい」とキッパリ答えたのだった。
この様子に同社の商品開発責任者も「食べても頂けない?」「食べても頂けないのはちょっと……残念だなぁ」と困惑ぶりを見せていた。
アナウンサーが「やはりジャッジで美味しいか美味しくないかの判断なので、一口だけでも召し上がっては頂きたいのですが」と伝えると、シェフは次のように話した。
「そこが僕の中で問題になっていて、食べたいなって気にさせない。美味しい、美味しくないは、まず食べてみての話じゃないですか。でもこのおにぎりは、僕に食べてみたいって気にさせない」
そこでおむすび開発担当者が、「こちらの商品は長年、お客さまやお店のスタッフの方々に愛されてきた商品で、毎年、美味しくできるようにリニューアルを重ねておりまして。味の評価をぜひして頂ければと思ってはいるのですが」と言葉を詰まらせながら願い出た。するとそのシェフは、ようやく一口だけ試食したのだった。
■買うのはプロではなく「素人」
この一連の様子に、ネット上では本企画自体を問題視する声が相次いでいる。
《そもそも番組趣旨もおかしいんだよね。コンビニってのは、配送や梱包、賞味期限、原材料など、制限された状態でも、全国の万人に美味しいものを提供するプロ。料理人とは全く違う。どちらも別の意味で一流であり、すごい》
《コンビニのターゲットと高級料理店のターゲットは違うし無理がある企画》
《スタッフとしては、甘々審査員だけでは番組的に面白くないから辛口コメントを期待してるのかな?》
料理研究家のリュウジ氏(35)も2日にTwitterを更新し、番組企画に対して次のように意見を綴った。
《食べ物を作るプロが食べ物を作る企業をボロクソに言う企画がどうしても好きになれない レストランでもコンビニでもお客様に食べ物を提供するのは同じでそこに貴賤はない 同じプロの目線ではなく、多くの一般ユーザーの目線が最重要だと思います 大事なのは「プロ意見」より「素人の感想」》
続けて、《料理人の方は努力されてこの地位を築いた一流の方ですし素晴らしいです 企画として辛口レビューしてくれと言われて真剣に意見を言っているのでそこも素晴らしい ただ…すいません…買うのは…プロではなく「素人」なので…》と番組企画の趣旨に疑問を呈している。
波紋を呼んだジャッジ企画。果たして、番組制作陣はどのように受け止めているのだろうか。