蝶ネクタイ姿の愛子さま
生命力あふれる木々の緑に囲まれた白亜の洋館から、天皇陛下と雅子さまの楽しそうな笑い声が聞こえてくる――。
8月下旬、那須御用邸で静養中の天皇ご一家は、御用邸から10キロほど離れた那須どうぶつ王国をおしのびで訪問された。
「天皇ご一家は、この地で静養される際には毎回のように那須どうぶつ王国を訪問されます。お食事も王国内の施設で召し上がり、丸一日たっぷり動物たちとふれ合い、ショーをご覧になって過ごされるなど、お気に入りのスポットなのです」(宮内庁関係者)
本誌は、4年ぶりに地方で夏のご静養をされていた天皇ご一家の秘話をキャッチした。この日、那須どうぶつ王国を訪れていた一般客はこう振り返る。
「ニホンライチョウやツシマヤマネコなどの絶滅危惧種が飼育されている『保全の森』という展示や、日本国内で飼育している動物園もそう多くないアムールトラを観察できる『シベリアンテリトリー』などを、両陛下と愛子さまは熱心にご覧になっていました。
その後、王国内の高台にある洋館でランチをお召し上がりになりました。お食事の後は、山から吹く風を感じながら、お三方でテラス席に座られて、お茶とデザートを堪能されているようでした。
時折、愛子さまが席を立たれて、ナプキンを取ってきて両陛下にお渡ししているような光景もほほ笑ましかったですね」
その後、愛子さまがパーティグッズ用の巨大な蝶ネクタイを着けられて――。
「パーティで披露するような“出し物”なのか、愛子さまが大きな蝶ネクタイを着けて、どうぶつ王国の関係者らと、楽しげなご様子で笑っていらしたのです。天皇陛下はコンパクトカメラでそんな愛子さまを撮影され、雅子さまの笑い声も聞こえてきて、とても和やかな雰囲気でした」(前出・一般客)
■ランチタイムに“お楽しみ会”が
まるで両陛下をおもてなしするかのように、蝶ネクタイまでお着けになっていた愛子さま。じつは、那須どうぶつ王国でお過ごしになる際には、こうした“ランチ時のお楽しみ”があるというのだ。ご静養時の過ごされ方を知る皇室担当記者はこう明かす。
「那須どうぶつ王国を訪れた際には、天皇ご一家と施設関係者たちが一緒になって、ランチタイムにはお楽しみ会のように、和気あいあいと過ごされることが恒例となっていると聞いています。両陛下と愛子さまも、昔からこのひと時を満喫されていらっしゃるそうですよ」
天皇ご一家は思い出の地を巡られながら、地域の人々との久しぶりの再会を喜ばしく感じていらっしゃったのだろう。名古屋大学大学院准教授の河西秀哉さんは、ご静養の意義についてこう語る。
「皇室の方々にとってご静養は、ご公務などで常に人に見られているという感覚から解放され、よりフランクに地方の人々と接することができ、国民の意識や意見を理解する機会となっていると言えるのです」
9月中旬には、愛子さまにとって大学時代最後の夏休みが終わる。前出・宮内庁関係者は、
「大学ご卒業後、英国への留学をお考えになっていると聞きます。ご家族で那須の夏をゆっくりと過ごすことができるのは、今夏で最後になるかもしれません。
愛子さまが笑顔を絶やさずに全力でご家族との夏休みを過ごされているのは、この貴重な機会に日々の激務でお疲れの両陛下を癒そうとされているのでしょう。そして、ご静養を通じて国民に寄り添いたいとの思いも新たにされているように感じます」
愛子さまのご成長ぶりに、雅子さまも頼もしく思われているようだ。
「那須には、愛子さまが1歳となる前から親しまれた場所が多くあります。一般的に愛子さまの同年代くらいになれば、幼いころと同じように両親と過ごす子どもは少ないように思えます。
それにもかかわらず、両陛下を喜ばせるためにも行動をともにされ、時に笑わせようと愛子さまが工夫をこらされていることに、陛下と雅子さまも成長ぶりを実感されているのでしょう。愛子さまのそうしたなさりようをご覧になるたびに、雅子さまも頼もしくお感じになっているそうです」(前出・宮内庁関係者)
愛子さまが大きな蝶ネクタイを着けて奮闘されるお姿に、雅子さまも感涙するほどうれしくお感じになったにちがいない。ご一家にとって“最後の夏休み”は、幸せにあふれた最高の思い出となっていた――。