「(右ひじのリハビリのため)家から出られなくてギプスもしている状態だったので、(飼育開始から)最初の1カ月は犬の面倒を見るのも大変ですし、ちょうどいいかなと。だから、一緒にリハビリを頑張りました」
1月16日、コナミデジタルエンタテイメント社が公開したインタビュー動画の中で、大谷翔平(29)は愛犬・デコピンを迎え入れた経緯についてそう明かした。同日には「KONAMI野球ゲームアンバサダー」に就任することが発表されている。その後、大谷は自身のInstagramでデコピンとの生活のワンシーンを公開。KONAMIの野球ゲームマスコット・パワプロくんのぬいぐるみをデコピンが食いちぎってしまった様子を伝え、ファンを沸かせたのだ。
「大谷選手の愛犬はコーイケルホンディエという、もともとは猟に使われていた犬種です。人間に対してフレンドリーであると同時に、本能的に何かを追いかけて捕まえる、という意欲が強い傾向があります」
犬のしつけ方教室「スタディ・ドッグ・スクール」代表の鹿野正顕先生はそう解説する。
いまや世界中の人気者となった“やんちゃ息子”との暮らしを楽しんでいる様子の大谷。充実したオフを過ごしながら、ドジャースの選手として迎える最初のシーズンに備えているようだが、じつは新生活で苦慮していることも――。
「移籍決定後、引越し先を探し始めた大谷選手ですが、まだ新居が決まっていないようです。ドジャースのキャンプインは投手陣が現地時間2月9日、野手陣が14日と発表されました。今季、大谷選手は打撃に専念するため14日から合流となりますが、それでもキャンプイン前に引っ越しを済ませるには時間が足りないと言わざるをえません」(在米ジャーナリスト)
プライベートは穏やかに過ごしたいという条件をもとに、すでにVIP専門の不動産業者から物件の案内を受けたという。
「候補に挙がったのが、数多くのセレブが生活するビバリーヒルズの物件だそうです。セキュリティや広さの面でも問題ないでしょう。珍しい犬種を飼う人も多いため、有名な獣医師もいます」(前出・在米ジャーナリスト)
ビバリーヒルズの住宅街で、大谷の希望を満たす物件となると、一軒家で家賃相場は140万~200万円ほどだという。大谷にとってはけっして高額ではないと言えるだろう。では、なぜ大谷は引越し先を決められないでいるのだろうか。
「3軒案内されたそうですが、“デコピンにとって暮らしやすい環境を”という点へのこだわりが強く、決め手を欠いているようです」(前出・在米ジャーナリスト)
たとえば、ビバリーヒルズに住むセレブの“パーティ文化”が大谷を悩ませる要因の一つだという。
「ドジャースの選手にもパーティ好きがいて頻繁に開催しているようで、すでに大谷選手も声をかけられているそうです。しかし、大谷選手はそうした場が苦手で、『パーティに出席するよりもデコピンと遊ぶ時間やトレーニングに充てたい』と話しているとか」(前出・在米ジャーナリスト)
そして前出のとおり、コーイケルホンディエはもともと猟犬。飼い主にはその“狩猟本能”を満たすことが求められると、前出の鹿野先生は指摘する。
「ちょっとそこまでの散歩しかしない、まして家での留守番が多いとなると、狩猟への欲求が満たせないので、その反動から家の中のものを壊すなどのいたずらにつながってしまうのです」
もちろん「かわいい」とめでてあげることも大切だが、飼育する側には、活発な運動に対応する体力、また本能に寄り添う技術が要求されるという。
「ドッグランを走り回るなどのアクティブな行動も欠かせないでしょう。家の中でも、ボール投げや紐の引っ張り合いなどの遊びをさせてあげるといいですね」
大谷は広い庭だけでなく、室内にいるときものびのびできる“デコピン専用VIPルーム”を確保しようとしているのだろう。また、コーイケルホンディエには水鳥を狩る習性から、こんな特徴も。
「個体差はありますが、基本的には水遊びが好きな犬種です。水の中に入ったりすることが苦手ということはないでしょう」
犬が入るのに適したプール付きの物件ならば、デコピンの欲求をより満たすことが可能となるのだ。
鹿野先生によれば、欧米では、日本よりも「ペットはパートナー」と考える意識が強いという。“愛犬にベストな環境を”とこだわりぬく大谷には、そのマインドが徹底されているようだ。
「引っ越しをしないままキャンプインする可能性も考えられますが、さすがにシーズンが始まる前には新居を決めるのではないでしょうか」(前出・在米ジャーナリスト)
ドジャースは3月20日、ソウルで開催されるパドレス戦で開幕を迎える。大谷が理想とする“デコピンファースト”の住環境を満たすことができれば、野球での成績にもプラスに作用するはずだ。