「公演関係者に体調不良が確認されたことで、19日と千穐楽の20日の公演が中止に。21日から同会場で行われる予定だった海老蔵さんの企画公演『いぶき、』も中止になりました」(舞台関係者)
波乱の終幕となった市川海老蔵(44)による新作歌舞伎『プペル〜天明の護美人間〜』。海老蔵も25日にブログで《ここ数日なかなか起きれませんでした》とつづるなど、相当ショックを受けている様子だった。
実は公演初日である1月3日、対照的な海老蔵の姿を本誌は目撃している。終演後、東京・新橋演舞場の楽屋口から出演者でもある長女・ぼたん(10)と長男・勸玄(8)とともに現れた海老蔵。
サングラスをかけ、高級ブランドのダウンに身を包み、ファンの声援に「ありがとう!」と笑顔で応じて、車に乗り込んでいた。
千穐楽中止という“笑えない”事態にあった海老蔵だが、『プペル歌舞伎』に懸ける情熱は相当なものだったようだ。
「原作となったキングコングの西野亮廣さん(41)が手掛けた絵本に海老蔵さんがほれ込み、自ら歌舞伎化オファーを西野さんにしたそうです」(前出・舞台関係者)
実は、海老蔵にとって公演中止以上に衝撃的なことが起こっていたと、ある歌舞伎関係者はいう。
「空席が目立つ日もあったそうなんです。『プペル歌舞伎』のSS席の値段は3万円。歌舞伎座での通常公演の最も高い席の倍近い値段で、かなりの高額設定です。安い席は早々に完売しましたが、1万円以上の席の売れ行きが予想より伸びなかったと聞いています。
海老蔵さんが出演する新橋演舞場での新春歌舞伎といえば、毎年チケット争奪戦になっていたので、驚きましたね……」
まさかの“売れ残り”に海老蔵サイドは苦渋の決断をくだす。
「あるチケット販売サイトでは、1万4千円のS席が、サイトの会員限定価格として1万2千円で販売されていたんです。
歌舞伎座や新橋演舞場など、松竹直営の劇場で行われる歌舞伎公演で、値下げをすることはありません。しかし、『プペル歌舞伎』の主催者である実行委員会に松竹の名前はない。赤字が出た場合、海老蔵さんと西野さんサイドがかぶることになりますから、少しでもチケットの売り上げを伸ばすために値下げを敢行したのではないでしょうか」(前出・歌舞伎関係者)
■“團十郎”襲名披露にも暗雲が…
掟破りの値下げも断行した海老蔵だが、待ちに待った“大仕事”にも暗雲が垂れこめているという。
「市川團十郎の襲名を一昨年の5月にする予定でしたが、コロナ禍で延期に。いまだ感染者が続出している状況から今年の実現も限りなく難しいと聞いています。仕方ないとはいえ、海老蔵さんもかなり気落ちしているそうです」(前出・歌舞伎関係者)
先送りされ続ける歌舞伎界一の大名跡である「團十郎」襲名。さらに海老蔵には、早く襲名したい“切実な理由”があるようで。
「海老蔵さんの父で、先代の團十郎の襲名披露公演は3カ月にわたって行われ、その興行収入は30億円以上ともいわれています。さらに今回は勸玄くんの新之助襲名披露も兼ねていますから話題性は先代以上でしょう。
しかし襲名延期に加えて、コロナ禍で歌舞伎公演の客席も制限されたことで海老蔵さんの収入は大幅ダウン。市川宗家として弟子の面倒も見なくてはなりませんから、海老蔵さんとしては早く襲名したいのが本音なのですが……」(前出・歌舞伎関係者)
『プペル歌舞伎』の不入りと襲名延期のWパンチにあえぐ海老蔵。その結果、モチベーションにも悪影響が及んでいるようで。
「当代きっての大名跡の襲名披露となれば本来“千両箱”の興行です。客席の上限に制限がかかった状況で公演を強行する選択肢は考えられません。しかし、感染者数が減った矢先にオミクロン株が大流行するなど、この先も収束する兆しは見えない。
そんな先が見えない状況に海老蔵さんもすっかりやる気を削がれてしまったといいます。最近では冗談まじりに『勸玄だけ襲名すればいい……』と自暴自棄になることもあるそうです。自分は7歳で新之助を継いでいますからね。
また、ここ2年で歌舞伎座の公演に一度しか出演しないなど、松竹とも距離を置いているといいます。歌舞伎界をリードする市川宗家の代表としての自覚をもう少し持ってくれるといいのですが……」(前出・歌舞伎関係者)
歌舞伎界の一大イベントとなる“團十郎”襲名はいつの日にーー。