(写真:アフロ)
9月27日に東京・日本武道館で行われる安倍晋三元首相(享年67)の国葬。政府は8月26日、今年度予算の予備費からおよそ2億5000万円を支出すると閣議決定した。
松野博一官房長官(59)は同日の記者会見で、内訳について会場の借り上げに約3000万円、会場の設営費などに2億1000万円を充てることを明かした。しかし、この2.5億円には警備費用は含まれていないという。
松野官房長官はその理由について、「予備費以外にかかる経費として国内外の要人が参列する式典であることから、その警戒警備に要する経費、海外要人の接遇に要する経費が見込まれる」と説明。いっぽうで、2.5億円以外の経費については「状況に応じて既定予算で対応していくこととなると考えております」と、具体的な金額の明言は避けた。
「国葬費用をめぐっては、24日に『2億円あまり』と報じられたばかり。その“あまり”がまさか、5000万円にものぼるとは国民も予想していなかったでしょう。松野官房長官は会見で、『会場外で一般献花を実施するなど参列者の増加に伴い約5700万円の増加が必要となった』と説明しました。安倍元首相は銃撃によって亡くなったこともあり、要人警護や会場警備などセキュリティ強化に膨大な費用が投じられることが予想されます。ですが国葬にかかる費用の総額は不透明かつ、国会での説明や審議もなされていません。あまりにも強引なやり方に、国民の間では不満が募るばかりです」(全国紙記者)
国葬費用が2.5億円と閣議決定されるやいなや、ネット上では《到底国民の理解を得られるとは思わない》《大切な税金の使い方をしっかり決めてほしい》などと非難の声が噴出している。
また、25日には安倍元首相の四十九日を迎えたばかり。全額税金が投じられる国葬が物議を醸すなか、ネット上ではとあるサイトが注目を集めているのだ。それは、「安倍元総理デジタル献花プロジェクト」として、ネット上で安倍元首相に弔意や感謝の気持ちを表すことができるというもの。
同サイトでは、《私たち有志は、安倍元総理の国葬に賛成するとともに、弔意を示したいと願う国民のために何かできることはないかと考えてきました。そしてこの度、20代と30代が中心となり、安倍元総理への感謝の気持ちと弔意を示すためのプラットフォームを立ち上げました》と記されている。「デジタル献花」ができる期間は、安倍元首相の四十九日である25日から国葬当日の9月27日までとのこと。集まったメッセージは、安倍昭恵夫人(60)に届けられるという。
国葬をめぐっては、毎日新聞と社会調査研究センターが実施した全国世論調査(8月20、21日)では、「反対」が53%と「賛成」の30%を上回っていた。だが、この「デジタル献花」は開始からわずか2日で、すでに6万名以上もの献花が集まっているのだ(27日13時現在)。
寄せられたメッセージには、次のように安倍元首相を偲ぶ声で溢れている。
《とてもとても残念で仕方ありません。これからのこの国をどうか見守っていてください》
《日本を底の底からすくい上げていただいたこと、本当にありがとございます。大変な日々だったと存じます。まだ、甘えていたかったのが本音ですが、心からお礼いたします》
《歴代で1番素晴らしい総理大臣でした。 本当にありがとうございました。 どうか安らかに》
《安倍さんが逝かれてしまったことをまだ受け入れられない私です。何故、安倍さんが。しかし、最後一言。笑顔が素敵で優しい安倍さん、本当にありがとうございました》
「『デジタル献花』には10代~60代と、幅広い年齢層からメッセージが寄せられています。開始初日には2万人を越えるなど、サイトにアクセスが集中してつながりにくい状況だったといいます。つまり、凶弾によって命を奪われた安倍元首相を偲ぶ人がこれだけいるということです。政府は国葬に使われる費用について丁寧に説明をしなければ、国民の間で賛成派と反対派の対立が深まってしまうのではないでしょうか」(前出・全国紙記者)