(C)田村由美/小学館(C)フジテレビジョン
実力ある顔ぶれが主演にそろった冬ドラマ。何を見たらいいの? という疑問に、本誌ドラマウオッチャーたちがお答えします! 題して、「ドラマ大好き本誌女性記者による女性のための2022冬ドラマ座談会」。考察はかどる謎解きドラマが豊作ですーー!
■強烈主人公が真実に迫る!
20代編集K(以下、K):今年の冬ドラマは『DCU』(TBS系・日曜21時〜)が2話までの平均視聴率15%超と好発進です。
30代記者S(以下、S):『DCU』は、海上保安庁でも水中事件や事故を捜査するチームの話。刑事モノの面白さと、海を潜るシーンのスケール感があって見応えあります。
40代記者H(以下、H):阿部寛演じる隊長の不敵な感じは期待どおり。横浜流星の抜群の身体能力が生かされる作品がついに来た! って感じ。
S:いい感じで着替えのシーンがあるのもうれしい(笑)。
K:吉川晃司を殉職させたのは阿部寛なのか? という謎があるし、ミステリー要素もありますよね。
S:視聴率2桁をキープ中の『ミステリと言う勿れ』(フジテレビ系・月曜21時〜)や『ドクターホワイト』(カンテレ・フジテレビ系・月曜22時〜)など、今期はミステリー作品が多いですよ。『ゴシップ #彼女が知りたい本当の〇〇』(フジテレビ系・木曜22時〜)の黒木華にも隠された秘密がありそう。
K:『ミステリと言う勿れ』は原作の漫画を読んでいたんですよ。菅田将暉の、役が憑依したかのような演技はさすがだなあと思いました。
H:伊藤沙莉は、ふだんの押しの強いキャラクターと違ってかわいらしい。脇役も盤石な感じがするね。
S:永山瑛太が出てきたとき、彼だと全く気付かなくて(笑)。今後、物語のキーマンになると思うんですけど、菅田将暉との演技合戦が楽しみ。
K:今期は特に、クセの強い主人公が真実に迫る! みたいな作品が多い気がします。『ドクターホワイト』の浜辺美波は、医療知識以外の記憶を失ったという役どころ。首をかしげる仕草とかロボットっぽくて、かわいいですよね。
S:非現実的な感じがマッチしてますよね。浜辺美波の演技に説得力があるから不思議と納得しちゃう(笑)。
K:私は、浜辺美波に優しい柄本佑にキュンとしました。自販機の前にいる彼女に、「好きなものを買ってあげるよ」って言うところとか!
H:『ゴシップ』は伏線回収の面白さがあるね。黒木華のニュースサイト編集長役はクセが強くて、頭の回転の速い変人っていう意味では菅田将暉と2強だね(笑)。
K:黒木華って、クセのある役がやっぱり上手ですよね。彼女が「見つけた」って言うときの表情の変わり方とかすごく好きです。
S:私は、安藤政信がすごく気になっているんですよ。彼の存在自体がミステリーだし、安藤政信がやるからには、絶対いい人のままでは終わらないはずだ! と思って(笑)。
■ラブストーリー好きには演技派ぞろいのこの2作!
K:恋愛ドラマは少ないですけど、『ファイトソング』(TBS系・火曜22時〜)はどうですか?
S:恋愛初心者の清原果耶と間宮祥太朗が頑張っている感じがほんわかしていていいなあって思って。清原果耶の、泣くシーンも美しかった!
H:菊池風磨も、チャラいけど一途な感じがハマってる。
K:私、間宮祥太朗が、歌がうまくてビックリしました。あの歌を彼が歌ってるって気付くまでしばらくかかったくらい(笑)。
S:暗さはあるけど、その控えめな感じがカッコいい。4月に主演ドラマも決まったし、間宮祥太朗、今年ブレークするんじゃないかなあ。
H:ラブストーリーといっては変化球だけど、『妻、小学生になる。』(TBS系・金曜22時〜)の10歳の少女と50代のおじさんとの愛情いっぱいの物語も注目よ。
K:堤真一の、妻が生きているときの若々しい感じと、妻が亡くなった後の落ちぶれた感じの演じ分けがすごいですよね(笑)。
H:生まれ変わった妻を演じる、毎田暖乃ちゃんの演技が素晴らしいんだから! 堤真一を叱咤する姿も、違和感なく見られる。
■“家族ドラマ”は丁寧な脚本に目が離せない!
K:ファミリードラマも良作ぞろいですね。『となりのチカラ』(テレビ朝日系・木曜21時〜)の、優柔不断な父親役の松本潤は、新境地を開いた感があります。
S:ああいうダメ男を演じるのは、すごく挑戦的だし新鮮ですよね。しっかり者の妻を演じる上戸彩との掛け合いもいい。
K:遊川和彦の脚本だから絶対面白くなるんだろうなあって。1話だけでもたくさん謎がちりばめられていたので、これからそれがどう絡み合っていくのか楽しみです。
S:また、『恋せぬふたり』(NHK・月曜22時45分〜)は、新しい形の“家族ドラマ”ですね。
H:私、「アロマンティック」(他者に恋愛感情を持たない人)と「アセクシュアル」(他者に性的感情を抱かない人)というセクシュアリティがあること自体、今回初めて知りました。
K:岸井ゆきのと高橋一生が、恋愛感情抜きに支え合って“家族”として生活を営んでいこうとする過程がとても丁寧に描かれているんですよね。人と人はなぜ生活を共にするかみたいなところに共感ができて、胸に刺さりました。
S:2人の演技も安定感あります。主演が演技派ぞろいの今期は、腰を据えて見たい作品が充実してますね。
■各記者のBEST3
20代編集K:1位『DCU』/2位『恋せぬふたり』/3位『ゴシップ #彼女が知りたい本当の○○』
30代記者S:1位『ミステリと言う勿れ』/2位『ファイトソング』/3位『DCU』
40代記者H:1位『妻、小学生になる。』/2位『DCU』/3位『ミステリと言う勿れ』