「毎日のように夜遅くまでいろいろな人が出入りしていて、不安を感じています。宴会をしているのか、深夜11時くらいまで騒がしかったこともあって……」
こう訴える住民の視線の先にあるのは、絵本『えんとつ町のプペル』の世界観をモチーフにした建物。キングコング・西野亮廣(42)が故郷に新築した自宅だ。なぜ不特定多数の人々が出入りしているのだろうか――。
「西野さんは吉本興業を退社後も、お笑いだけでなく絵本作家やユーチューバーとして多彩な活動を続けています。『えんとつ町のプペル』は約70万部の大ベストセラーとなりましたが、映画も大ヒットし、今年は歌舞伎やミュージカルにもなりました」(芸能記者)
そんな西野の一大プロジェクトが、兵庫県川西市で展開されつつある。’18年ごろに355坪の土地を購入、『プぺル美術館』を作ると宣言したことを皮切りに、故郷への関わりを深めているのだ。
「大々的に報じられましたが、美術館予定地は更地のままです。西野さんは“美術館より前にアパートを作る”と言っているのだとか」(前出・芸能記者)
そうした計画に先んじて完成させたのが“プペル御殿”なのだ。煙突を模した門柱や、玄関が2階にある構造など手の込んだ造りになっているが、西野はほとんどこの家に帰っていないという。近隣の住民Aさんが明かす。
「10月に工事の方たちがいなくなりました。西野さんは上棟式と夏にお見かけしただけなので、完成したのかどうかもよくわからなくて……」
本誌が調べてみると、西野は自宅をレンタルスペースとして貸し出していることがわかった。年末年始も含め毎日予約が受け付けられていて、料金は1日(11~21時)税込み5万2千円だ。自身のインスタグラムでは「ガチ自宅です」と公言し、さまざまな取材に対しても自宅として公開しているのだが……。
前出の住民Aさんは、この“ビジネス”に対して憤りを隠さなかった。
「てっきり西野さんが住むのだと思っていたので驚きました。宴会などで10人以上の方がいるときもあり、深夜まで騒音に悩まされることもあります。特に気になるのが、2階にある玄関まで上がるための鉄製の階段。人の出入りのたびに、周囲に大きな音が響くので……。知らない人たちがいつも出入りしているわけですから、怖くなることもあります」
街を取材していくと、西野のオンラインサロンの会員などファンや関係者らが、数年前から川西市に移住してきていることがわかった。居酒屋やたこ焼き店などを開いている人もいるという。しかし、もともとの住人と移住民の間では、いさかいもあるようだ。町内の別の住民Bさんが記者に訴えた。
■注意すると「文句があったら測ってから来い」
「私の家の近所には、西野さんの影響で県外から移住してきてマッサージ店を開いた方がいます。コロナが蔓延しているころですが、大勢の人が集まって騒ぐので、何度か注意しに行ったんです。すると騒音測定器を渡され、“文句があったらこれで測ってから来て”と言われました」
西野は川西市が発行する広報誌『milife』12月号でインタビューに答え、『プペル』を軸にした街おこしを提案。《近所とも良好な関係を築く》と書かれてあるが、記事を読んだBさんが怒りを露わにする。
「西野さんの関係者が『空き家が出たら連絡してほしい。西野さんがほかより高く買うから』と町で触れ回っているそうです。私たちは『プペル街』なんかに住みたくないですよ。西野さんは現在の市長の応援演説にも行っていますし、騒音や住民間の関係などについて、市役所に文書を送りました」
本誌は川西市役所の広報広聴課に問い合わせた。
「(近隣住民からの苦情については)一部でそういった声があることはお聞きしています。西野さんには、非常に面白い家が完成したということで、こちらからお願いして広報誌に出ていただきました。今後、西野さんへの取材は慎重に対応したいと思います」
また西野の事務所に連絡すると、「プライベートのことは、本人に任せております」と回答が届いた。
『プペル』とプライベートを都合よく使い分ける西野。もっと故郷の人々の声を聴くべきだろう。