江戸時代の幕末〜明治時代初期の古写真にはカラー写真のように色鮮やかなものがよくみられますよね。当時はカラー写真はまだありませんから、あれらの写真はモノクロ写真を着色したものなんです。
こういった手法の写真のことを「彩色写真」あるいわ「着色写真」と呼び、当時日本に観光に来る外国人観光客にはとても人気が高かったそうです。いまでいう観光地のポストカード的なものだったのでしょうか。
また、当時日本最大の開港地であった横浜を中心に人気となったお土産だったため「横浜写真」とも言われていました。横浜写真の代表的な写真家であったイタリア人のAdolfo Farsarii(アドルフォ ファルサーリ)もまた、当時は横浜を中心に活動していました。
明治時代の色々な古写真をカラー彩色させた写真「横浜写真」がおもしろい!
写真に着色する作業はもちろん写真家一人でやっていたわけではなく、ちゃんと着色担当の技師がいたそうです。
江戸時代末期から昭和初期にかけて活動し、日本の写真文化史に影響を与えた写真家 日下部金兵衛もまた、横浜写真には外せない人物。日下部金兵衛は元々は写真に着色を施す着色技師として働いていた写真家なんです。
幕末〜明治期の古写真が無料ダウンロード!幕末の写真家 日下部金兵衛による美しい日本の姿
当時、写真に着色をする作業というのはどのように行われていたのでしょうか?その様子をとらえた古写真がこれらの写真です。
当時の日本はどのような光景だったのかを知る上で古写真は大切な手がかりとなるわけですが、さらに色彩豊かに伝えてくれる横浜写真(着色写真)は日本の歴史を紐解く上でどれほど重要な資料になっているのかは計り知れないでしょう。
写真に着色する技師を撮影した写真・・・。ちなみにこの写真は自分たちで着色したんでしょうかね?どうでもいいですね・・・。
当時の着色技師の技術のおかげで古写真が歴史研究のより一層の手助けになり、古写真をより楽しめていることを考えると、この着色技師らの写真には感慨深いものがありますね。
筆者はこういった着色技師の作業風景の古写真を始めて見たので心にグッとくるものがありました。「色付けてくれてありがと。すごく楽しんでるよ!」と伝えたい・・・。
着色であることが生かされているものといえば、当時の花魁・芸者さんの着物姿の華やかさ。実際のカラーよりかなりビビッドに着色されていそうな写真もありますが、これぞ着色写真の真骨頂といった感じです。
とっても華やか!カラー彩色された明治時代の芸者さんのステキ写真たち